アールスリーインスティテュート(アールスリー)が提供する、サイボウズの「kintone」のカスタマイズをノーコードで可能にするサービス「gusuku Customine(グスク カスタマイン:カスタマイン)」。2018年の登場から、kintoneの導入支援を行う企業の開発生産性向上に利用され、kintoneビジネスの拡大に貢献している。今回、サイボウズとkintoneのパートナー2社に登場していただき、kintoneとカスタマインで実現できる新しいシステム開発サービスついて語ってもらった。

玉田一己
サイボウズ
営業本部副本部長エリア統括

拡大が続くサイボウズのエコシステム、kintoneの拡張性に注目して参入が相次ぐ

 まず、kintoneを提供するプラットフォーマーとしてサイボウズの玉田一己・営業本部副本部長エリア統括は、サイボウズのエコシステムの強さについて次のように語る。

 「一つは連携部分の拡張性を幅広く持たせていること。われわれが提供する部分は、データベースとフォーム作成といった標準機能のほか、セキュリティなど基盤の信頼性の向上などに集中し、パートナーの方々が担う部分とは食い合わないようにしている。また、APIやプラグイン、JavaScriptを活用したカスタマイズについても、使いやすさを含めてパートナーの方々と緊密にコミュニケーションしている」。

 kintoneのパートナーは、大規模から中小まで幅広く、現在、300社を超えて拡大が続く。kintoneの拡張性に注目してSIビジネスを手掛けたいとするパートナーは多い。最近は、連携の部分に惹かれて地場ベンダーの参入も目立つ。さまざまなパートナーの参入で、パートナーが別のパートナーの製品を利用してビジネスを展開するケースも増えているという。

 「kintoneの初期から、エコシステムの拡大を重視して取り組んできたので、パートナー同士の連携が進んでいる状況はとても喜ばしい。当社も、パートナーへの情報提供を充実させ、今年1月にはパートナー制度もリニューアルした。また、単にライセンスの販売数だけでなくユニークな事例など、多様な面からの評価軸も加えてパートナーの方々をしっかりケアしていく」と玉田副本部長。引き続き、ユーザーと多くの接点を持つパートナーとのコミュニケーションを密にし、kintoneの発展に向けて、ともに取り組んでいきたいと話す。

社内向けに開発したアプリを外販し、kintoneビジネスが主流に成長

岩井淳文
NDIソリューションズ
代表取締役社長

 NDIソリューションズは元々、IBM i(旧称:AS/400)向けに多くのシステムの開発を手掛け全国のパートナーの中でも上位の実績を持つ。岩井淳文・代表取締役社長は、kintoneのパートナーになったきっかけを次のように語る。

 「私自身が前職の外資系メーカーから転職して間もない頃に、kintoneを2014年の東京駅の黄色ジャック広告で意識し、セミナーに参加。そこで、オンプレの全業務システムをkintoneに移行し、TCOが50分の1になったというユーザーの講演を聞いて、クラウド時代のITの在り方を知り、kintoneのパートナー参加を決めた」。さらに、カスタマインについては、2年前の登場時に知り、第一号パートナーになるべく即決で取り扱いを決定したという。

 「辛口で知られる社内のSEが、『あれがないとkintone開発ができない』と言うほど絶賛していた。こうした声からも、当社のkintoneビジネスと良い補完関係になることを確信した。私は経理、人事、総務など、現場の担当者が自らデジタル技術を活用できることがDXに欠かせないと考えている。ITに詳しくない現場の方にとって、kintoneだけではハードルが高いケースもあるが、カスタマインはそのハードルを大きく下げてくれる」と岩井社長は強調する。

 同社では、完全テレワークの実現をゴールとしたDX1.0プロジェクトの実現に向け、営業支援の女性担当者をkintoneセミナーに参加させたところ、自ら社内向けの業務アプリを作成して運用。完全テレワークに対応した業務プロセス改善を実現した。さらに、カスタマインの活用でアプリ作成が加速し、評判が良かったことから外部にも販売していったという。

 その成果は大きく、今では全社で150以上のアプリを開発。基本的に100%テレワークが実現している。アプリの外販も順調に拡大している。また、DX1.0プロジェクトの後継として、デジタルセールスなど顧客接点部分を変革するDX2.0プロジェクトを進めており、その結果として受発注などの基幹系だけでなく、最重要である「統合顧客DB」も今やkintone上で稼働している。

 「営業がスマートフォンでアプリをお客様に見せると、その場で売ってくれと言われるほど。また、リモートデリバリーができることは大きなメリット。お客様先に足を運ぶことなく、リモート開発して提供できる。今や、kintoneビジネスが主流にまで成長し、kintoneのプロも続々と誕生している」と岩井社長は大きな手応えを語る。

gusuku Customine活用のkintone導入で中小企業の業務を改善

稲澤康博
Be Magical Solutions
代表取締役

 PCの修理サービスを手掛けてきたBe Magical Solutions。kintoneについては、自社導入を経て導入支援サービスをスタートさせた。

 「当社が対象とする中小企業の方々は、kintoneに強い興味を持っているが、何かしたいと思ってもできることが限られる。それはkintone自体ができないのではなく、標準機能でできることが少ないためだ」と稲澤康博・代表取締役は指摘する。

 導入支援ビジネスを手掛けた当初は、ここに色が付けられないか、在庫管理はどうやって実現するのか、といった要望に「できない(あるいは多額の外注コストが掛かる)」という返答するしかなかったという。その後、プラグインの提供で可能になることは増えたが、中小企業が望む「細かいところを楽に作業したい」というニーズを満たすには十分ではなかった。

 「そうした状況を変えたのがカスタマインだ。まず、自社に適応させて相当な改善ができたことで、『これならいける』と手応えを感じた。実際、お客様の要望に対応し、改善効果を実感してもらい喜ばれるケースがいくつも続くようになった。カスタマインは、これまでできなかったことをできるに変えた。しかも、カスタマインは月額1万8000円と金額も手頃。中小企業でもちゅうちょせずに利用できる」と稲澤代表取締役は強調する。

 カスタマインを知った当初は、プログラマー的な日本語の表現に戸惑いを感じたという。これには徐々に慣れたが、お客様も同様に戸惑うだろうと思ったことで、そこがビジネスになると考えた。

 「カスタマインを使うことで、お客様自身ができることは自由にやってもらう。そして、難しい点をわれわれにお任せください。そして、何かあったらしっかりフォローします、というスタンスにしている」。ビジネスへの効果も大きく、今では、kintoneビジネスが利益に占める割合の半分を超えた。稲澤代表取締役は「今後も、kintone導入を通じて、中小企業の業務改善に貢献していきたい」と抱負を語る。

 最後に、サイボウズの玉田副本部長は「カスタマインはユーザーによるkintoneの内製化、ベンダーの開発の効率化と、さらに、当社にとってもkintoneビジネスの活性化という、3者ともにメリットがある画期的なツールだ」と強調した。