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メディアスケッチ 生成AIで進める「業務知能化」の6つの段階 技術革新時代に求められる技術と人材は何か

2025/08/28 09:00

週刊BCN 2025年08月25日vol.2072掲載

 6月4日の基調講演「生成AIが導く『業務知能化』と段階的導入~少子化・技術革新時代を勝ち抜くために必要な技術と人材~」には、メディアスケッチ代表取締役の伊本貴士氏が登壇。最新の生成AIで製造業がどのように知能化されていくかを、段階を追って解説した。

メディアスケッチ
代表取締役 伊本貴士氏

 伊本氏はまず、「目覚ましい進化を遂げる生成AIの次の段階として、今、『知能化』が注目されている」と指摘。例えば製造業における「知能化製造」では、AIが自律的に意思決定することによって人間の介在は極小化されることになると説明した。つまり、計画以降のほとんどの意思決定をAIが担当し、人間は見守るだけの役割になるのである。

 ただ、製造の現場に生成AIを導入すれば知能化製造の時代が一気に訪れるわけではない。伊本氏が示したのは、(1)伝統的製造→(2)デジタル製造→(3)接続型製造→(4)スマート製造→(5)認知型製造→(6)知能化製造と進む、六つの段階。段階が上がるごとに自動化のレベルも高まり、ITやAIの利用法も変わっていくという。

 デジタル製造の段階では、生成AIに議事録を作成させるなどのITツール活用がメイン。接続型製造ではOT(制御系)とIT(情報系)がIoTで接続され、スマート製造では予測AIによる需要予測などの効果で無駄のない高品質なものをつくれるようになる。その次の認知型製造では、人間が目視で行っていた検品などの作業をAIによる画像認識で自動化。最終段階の知能化製造に至ると、シミュレーションに基づいてAIが生産計画を自律的に決めて製造が行われるのである。

 それぞれの段階でITやAIを導入するにあたっては、いくつか注意しなければならないことがある。

 まず、単に技術を導入するだけでなく、“人”を養成する必要がある。「さまざまな国家資格者が参加する建築施工の場合と同じように、ITやAIを取り入れた製造でも各領域の専門家が必要だ」と伊本氏は言う。

 また、デジタル製造以降の段階で活用するITツールを選ぶにあたっては、「それで何ができるか?」という技術中心の発想ではなく、「効率化のために何が使えるか?」という業務中心の発想が重要だ。

 各段階に必要な具体的技術としては、例えば、接続型製造においてITとOT間のセキュリティーを確保するためのファイアウォールとDMZ(非武装地帯)がある。スマート製造の段階では、予測精度を高めるのに「推論型LLM」が活躍。認知型製造には「AIエージェント」、知能化製造には生成AIを補強する知識ベースの「RAG(拡張検索生成)」があると便利だ。

 「最終的には、自分たちの現在の状況を生成AIに伝えて戦略を立案させることが可能になる」と伊本氏。今後の可能性についてその展望を語った。
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