株式会社LegalOn Technologies
執行役員
Head of DealOn Head of Partner Sales
吉田 晋 氏
2025年7月にはOpenAIと戦略的連携を発表した。これが企業法務や弁護士業務におけるAI活用の高度化にとどまらず、法務の枠を超えた業務改革や新たな価値創造への布石となった。10月22日には、コーポレートロゴやブランドを刷新し、新コンセプト「Expertise Specific AI(専門性×AI)」が発表された。これは、汎用的なAIでは対応できない業界固有の高度な課題に対し、深い専門知識(Expertise)とAI技術を融合させて解決するというアプローチだ。吉田執行役員は「これからはより一層、AIテクノロジーに専門性を“オン”することに注力する」と戦略の方向性を示し、その実現に向けた具体的なステップとして「各プロダクトはAIエージェントの開発に注力するフェーズに入る」と話す。例えば、主力プロダクト「LegalOn」内の、法務特化型AIエージェント「LegalOnアシスタント」では、法務業務を自律的に実行する機能の開発を加速させている。作成したい契約内容を指示することで、指示内容に沿った契約書のドラフトを作成する「ドラフティングエージェント」や、受け付けた法務相談の内容を自動で読み取り、論点の調査と回答案の作成を行う「法務相談エージェント」などの開発を進めている。
吉田執行役員は「日本はグローバルと比較して、AIの導入や活用が遅れている」と指摘する。その原因に、日本の業務オペレーションに適したAIソリューションが乏しいこと、AIの活用が個人に委ねられていることなどが挙げられる。吉田執行役員は「これらの課題を我々の『Expertise Specific AI』のコンセプトを持つ新プロダクト群によって解決していきたい」と、法務領域で培った専門性とAIの開発力を経営の全領域へと拡大する展望を示した。
吉田執行役員はパートナー企業に向けて「ビジネスにAIはなくてはならない存在になる」とした上で、次のように呼びかけた。「私たちは法務という難しい業務領域でAIプロダクトの開発実績を有している。この強みを他領域へ展開するにあたり、パートナー企業の皆様には、我々が提唱する『Expertise Specific AI』を共通の武器として、ともにお客様の課題解決を推進していただきたい」。