パソコンや薄型テレビの販売低迷によって、周辺機器メーカーのバッファローは昨年度(13年3月期)の連結決算で大幅な減収減益という結果になった。そこで、今年度に入って組織を再編。法人ビジネスの強化や海外ビジネスの精査に取り組み、さらにコンシューマ向け市場に新たな分野の製品を投入しようとしている。今、バッファローは基盤を固めて、再び成長路線を敷こうとしている。斉木邦明社長に、今後の経営戦略を聞いた。
組織をビジネスユニット制に再編
──今年度の折り返し地点に差しかかろうとしていますが、状況はいかがですか。 斉木 今年5月に実施した組織再編が実を結ぼうとしています。メモリストレージ、NAS(ネットワーク・アタッチド・ストレージ)、BBS(ブロードバンドソリューション)、サプライの4区分のビジネスユニット制にして、開発組織はすべてのビジネスユニットを網羅するという体制を敷きました。
昨年度は、一昨年度の事業部制を廃止して、機能別にしたのですが、責任の所在がはっきりしなかった。再び事業部制に戻すことも検討したのですが、それでは意味がない。そこで、いいところを残すことができるビジネスユニット制にしたわけです。つまり、開発リソースは共通して機能する。事業部制と機能別の両方を生かした組織になりました。
──各組織がビジネスユニット内の製品だけに絞り込んで売るというのは、販売戦略上、デメリットが生じることにはなりませんか。 斉木 だからこそ、開発組織が四つのビジネスユニットを網羅するようにしたのです。各ビジネスユニットは、数字や在庫などの責任をもつ。開発は、各ビジネスユニットからユーザーニーズを吸い上げて、市場に即した製品をつくることに専念します。
──各ビジネスユニットから「うちの製品を早く出してくれ」などという要望が出てきますね。 斉木 実際、出てきています。ただ、開発は各ビジネスユニットから出てくる要望に応えるだけではありません。それぞれの要望から、何か新しい製品が生まれないかということを視野に入れなければなりません。例えば、NASとネットワーク機器それぞれに対するユーザーのニーズがあって、少し観点を変えれば市場には登場していなかった製品を開発できるといった具合です。もちろん最終的には、社長である私がハンドリングします。開発力を高めることが今の当社には必須なんです。
──組織変更の効果は出ているのですか。 斉木 現時点では製品化していませんが、アイデアは出てきています。
──ほかに社内体制で改善した点はありますか。 斉木 これは、以前から取り組んでいたのですが、生産拠点のシフトです。具体的には、中国へ移しています。サプライチェーン・マネジメントという点ではまだまだで、これからになりますが、今年中にはきちんとした体制を整えます。
──今年度の目標は? 斉木 組織再編や生産体制の強化を図って、ようやく動き始めましたが、油断は禁物です。今年度は、基礎を固めて辛抱しなくてはならないとも考えています。昨年度は、これという製品も出せずに苦戦することになりました。しかし、必ず巻き返します。今年度の状況をみて、今後、当社がどういう方向に進むかに注目してください。
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