アイ・オー・データ機器は、周辺機器をあまねく開発・販売するという観点に立って商材を拡充しており、今や総合周辺機器メーカーとしてビジネスを展開している。ネットワークとストレージの領域を主戦場として、コンシューマと法人の両市場でさまざまな製品・サービスを提供。昨年度(2013年6月期)は、期首にあたる夏期こそ厳しい状況だったものの、今年に入ってからは各製品が堅調な売れ行きをみせた。結果的に昨年度は減収増益だったが、今年度は増収増益となる見込みだ。成長の原動力になった要因は何か。細野昭雄社長に話を聞いた。
価格下落など昨年度の夏は「悪すぎた」
──御社の今年度第1四半期は、売り上げが順調で、しかも利益が赤字から黒字に転換と、堅調に成長していますね。 細野 前年度が悪すぎたので、伸びているとはいっても決していい状態とはいえません。ただ、今年の夏以降、Windows XPのサポート切れによるリプレース需要が盛り上がり、法人向け事業が動いているのは確かです。パソコンのリプレース時にカスタマイズするユーザー企業もありますので、とくにメモリ系が底堅い動きをみせています。
──確かにXPのリプレース需要が動いているという話をよく聞きます。 細野 実際には動き始めたということで、まだ本格的に回り始めたというわけではありません。そういった点では来年2~3月がピークで、かなり期待できると考えています。
──前年度が「悪すぎた」とのことですが、原因を振り返っていただけますか。 細野 テレビ関連のドライブ系が過剰在庫、価格下落、評価減というマイナスのサイクルに陥りました。これが悪かった一番の原因ですね。しかし、今年はこのサイクルから抜け出しました。
──今年度は堅調ということなので、課題はないとみていいのですか。 細野 課題は、毎年、必ずあるんですが(笑)、とくに大きなものとして挙げるとすれば、これまでスマートフォン関連を確実にグリップしていなかったことです。
──解決策はあるのですか。 細野 コンシューマに対しては、サムスン電子ジャパンさんと販売代理店契約を締結することで合意し、「GALAXY」シリーズのモバイルバッテリやネットワークデバイスなどの純正アクセサリを今年10月上旬から販売するようになりました。なかでも、「GALAXY Note 3」用の純正カバーを販売しているのですが、カバー自体に制御チップを搭載し、カバーをしたままGALAXY Noteを操作できるようになっていまして、この製品についてはほかのサプライヤーには真似ができない。このパートナーシップは、当社だけでなくサムスン電子ジャパンさんにとっても有利に働いています。これまでNTTドコモさんのドコモショップだけだった販路が、家電量販店や携帯電話ショップまで広がったわけですから。当社にとっては、ケースのラインアップ、つまり数で勝負するというのではなく、質で勝負できるというメリットが生まれ、他社との差異化につながっています。最近では、ネットワークを介さない非通電関連製品が家電量販店で売れているとの話を聞いています。とくに、スマートフォンの周辺製品は、今後ますます需要が高まっていくでしょう。力を入れていきます。
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