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生成AIバネに、外販を伸ばす

NTTテクノクロス 代表取締役社長

岡 敦子

取材・文/安藤章司 撮影/大星直輝

2024/06/03 09:00

岡 敦子

週刊BCN 2024年06月03日vol.2016掲載

 NTTテクノクロスは、NTTの研究所による研究成果物を事業化するビジネスを伸ばし、2024年3月期の連結売上高は初めて500億円を突破した。独自商材を外部の一般ユーザー企業へ販売する外販ビジネスの比率が高まり、NTTグループ向けの受託ビジネスとほぼ半々になるまで拡大している。6月で就任から1年を迎えた岡敦子社長は、「生成AIの活用を積極的に進めてきた」と話す。NTTテクノクロスが強みとする顧客接点や映像、音声の領域と生成AIは相性がよく、NTTの研究所が開発した独自の大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi」の応用も推進し、外販ビジネスを一段と伸ばしていく方針だ。
(取材・文/安藤章司  写真/大星直輝)

初の連結売上高500億円超え

――社長に就任して1年を迎えました。振り返りを。

 23年は生成AIが注目を集めるようになり、まずは生成AIの活用に取り組みました。当社はコンタクトセンターをはじめ顧客接点の領域に強いことから、生成AIとの相性はとても良いと手応えを感じています。tsuzumiを自社の製品やサービスに反映し、市場競争力を一段と高めていきます。

――直近のビジネスの状況を話していただけますか。

 当社のビジネスはNTTグループからの受託ビジネスと、外販ビジネスの大きく二つに分けられます。前者は当社の前身となる旧NTTソフトウェアの時代に手がけていたビジネスで、17年に旧NTTアイティと合併し、NTTアドバンステクノロジから一部事業を受け継いで今のNTTテクノクロスの体制となってからは、後者のNTT研究所発の技術を応用した自社商材を一般の顧客向けに販売する外販ビジネス拡大に努めてきました。

 24年3月期は連結売上高で初めて500億円を突破し、NTTグループからの受託ビジネスと外販ビジネスが半々の比率にまでなりました。NTTテクノクロス発足時の外販ビジネスが4割ちょっとでしたので、売り上げ全体を伸ばすとともに外販ビジネスを積極的に伸ばしてきたことがお分かりいただけると思います。

――NTTテクノクロスの独自商材、注目商材を教えてください。

 顧客接点の領域ではコンタクトセンター向け業務システムの「ForeSight Voice Mining(フォーサイト・ボイス・マイニング)」は、金融や通信、自治体のユーザーを中心に500カ所余り、約5万6000席に導入いただいています。映像分野ではNTTが開発した超高臨場感通信技術「Kirari!」を活用して、遠隔地の臨場感をそのままリアルタイムで映像を配信する「超高臨場映像ソリューション」を開発しています。松竹とドワンゴによる、歌舞伎とボーカロイドが融合した公演「超歌舞伎」の基盤技術として採用されたことで話題になりました。

 健康医療の分野では、NTTと東レが協業して「hitoeウェアラブル心電送信システム」を開発。胸にセンサーが入ったベルトを巻き、心電の様子をスマホで表示、記録できるようにしました。農業分野では、酪農家が飼育している牛にセンサーを取り付け、牛の行動を24時間体制で監視する「U-motion」を製品化しています。牛に発情や疾病の兆候が見られたらすぐに駆けつけられるよう、酪農業務の効率化や業務負荷軽減をITの側面で支えています。畜産分野では、専用端末で豚の外観を撮影し、そのデータをもとに豚の体重を推定する「デジタル目勘」もあります。重量計に乗せなくても実体重との誤差4.5%以内での計測が可能で、経験豊富な熟練者に匹敵する精度を出しています。
この記事の続き >>
  • 映像・音声系の領域に強み
  • 研究職からビジネス開発へ転身

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外部リンク

NTTテクノクロス=https://www.ntt-tx.co.jp/