社団法人日本コンピュータシステム販売店協会(略称=JCSSA、大塚実会長=大塚商会会長)は、1月21日、「e-Japan計画がIT産業にもたらすビジネスチャンス」をテーマに、新春特別セミナーを開催した。

新春セミナーを開催

 セミナーは、スタンフォード大学スタンフォード日本センター研究部門の安延申所長をモデレーターに、東京大学大学院情報学科の須藤修教授、日本IBMの橋本孝之取締役パーソナルシステム事業部長、フューチャーシステムコンサルティングの金丸恭文社長によるパネルディスカッションが行われた。

 ディスカッションの冒頭、安延氏が、「IT不況といわれているが、それは本当なのか。今回、このパネルディスカッションに参加しているフューチャーシステムコンサルティングも、日本IBMも売り上げは決して悪くない。売り上げ悪化に見舞われているのは大手電機メーカーだけなのではないか」と提言。IT不況の分析を手始めに、討論の幕が開いた。

 これに対し、日本IBMの橋本取締役は、「私自身はパソコンを担当しているので、売り上げはIT不況と合致して確かに厳しい。だが、日本IBM全社的に見ると、ソフト・サービス部門の売り上げは好調だ。これは10年前の大幅な業績悪化によりリストラを実施し、ソフト・サービスへのシフトを進めた結果」だと説明した。

 フューチャーシステムコンサルティングの金丸社長は、「現在、IT投資を減らしているのはファッションとしてITを導入した企業なのではないか」と、表面上はともかく、本質的なIT需要は決して後退していないと指摘した。

 「e-Japan計画がもたらすビジネスチャンス」としては、須藤教授が、「地方自治体などがシステムを導入するには、県の職員などの手には負えない。民間との協力が不可欠となっていく。また、きちんとシステムが運用されていくのかを正しく評価し、チェックしていく機関を設けないと、変な利権が動く可能性がある」と、今後システムの運用と評価は、異なる視点からのチェックが必要になるとの指摘を行った。

 モデレーターである安延氏は、通産省出身。「日本の予算は単年度予算で、本来3年かけて構築するシステムも単年度で予算を出す必要がある。だからこそ初年度は1円で入札して、次年度、次々年度でその分を回収すればよいといった妙な慣習が生まれ、1円で入札しても耐えられる体力のある企業のみが入札に参加する事態になる。こういう仕組みをつくったのはベンダーだけではなく、官の怠慢とそしられても仕方がない」と、官庁側の問題をあげた。

 これに対してフューチャーシステムコンサルティングの金丸社長が、「最新のシステムが導入されないことに問題を感じているので、数か月するとフューチャーが1円入札…ということが起こりえるかも」と返して会場の喝采を浴びた。