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ロジテック 法人向け営業を強化 NAS製品で売上高10億円目指す

2002/02/04 16:09

週刊BCN 2002年02月04日vol.927掲載

 ロジテック(高木英亮社長)は、法人向けの営業を強化し、小売り・流通への依存度を引き下げる。パソコン市場の低迷から製品単価が落ち、今年度(2002年3月期)の売上高は前年度比約2割減の170億円になる見通し。打開策として、法人向けの特定用途パソコンやストレージなどの販売比率を高めることで、収益性を確保する。来年度(03年3月期)の売上高は200億円を目指す。

 今年度の製品出荷数は、昨年度とほぼ同じ100万個の見通しだが、単価下落が激しく、売上高は210億円から170億円へと減少する見込み。だが、法人や文教市場などへの販売を強化したことで、赤字には至らないもよう。ただ、メルコやアイ・オー・データ機器などが揃って赤字を出していることを考えれば、周辺機器ベンダー全般が厳しい状況にあることには変わりない。

 高木社長は、「家庭用ストレージ、特定用途パソコン、法人用のNAS、RAIDなどのストレージ、画像編集機器など、記憶装置を中心に品揃えをもつが、これらをうまく組み合わせて法人市場に売り込む。これには自社独自の営業力が必要で、システムインテグレータ(SIer)との連携も欠かせない。来年度の重点課題として、例えば医療、学校、ネットカフェなどの特定分野に特化した機器を開発することで、単価下落に悩まされない商売が可能になる」と、独自の営業力を強化し、新規販路の開拓に力を入れる。

 すでに法人向けの特定用途パソコン事業では、月間2000-3000台を生産し、今年度30億円を売り上げる規模にまで成長した。製品は、リナックス仕様やパソコンゲーム仕様など、法人顧客からの特別な要望に基づくパソコンが多い。今年度に140億円を売り上げる周辺機器など非パソコン分野についても、個人向けの販売が58%を占める一方、法人向けの販売が42%と、法人比率が高まりつつある。来年度は、非パソコン分野の法人向け販売が6割を占め、個人向けの販売を上回る見通しだ。

 なかでも成長率が高いのが、NAS(ネットワーク接続型ストレージ)で、今年度中に基本的な製品を揃え、来年度に年間10億円の事業に育てる。現在、主力のボックス型ネットワークストレージ「LAS-TNシリーズ」は、価格が10万円から。当面は中小企業や部門サーバー用として販売する。LANに接続するだけで簡単に独立したファイルサーバーとして使えるのが特徴となっている。

 高木社長は、「このNAS製品をホームサーバー開発の原型にしたい。現段階では、家庭で使うサーバーがどのようなものになるのか見えていないが、今後は、一般家庭で使えるサーバーとして店頭に並べる」と、NASをベースにした家庭用サーバーの開発に意欲を示す。

開発を担当するIT開発部開発課の中山政広係長は、「NASにルータや無線LANを組み合わせ、複合的な機能をもたせる。静音設計も重要で、放熱性がいいアルミケースを使うことで冷却ファンをなくし、流体軸受けのハードディスクを使うなどして騒音発生源を減らす。現在の法人仕様のNASをどのように家庭で利便性の高い商品に仕立てるかが来年度の大きな課題」と、研究開発に力を入れる。
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外部リンク

http://www.logitec.co.jp/