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サイバーリンク 総合ビデオ編集ソフト発売「PowerDirector」

2002/03/11 11:00

 4月初旬、ビデオ編集ソフト大手2社が新製品の発売で正面衝突する。サイバーリンク(吉田宣也社長)が4月1日に「PowerDirector(パワーディレクター)」シリーズを、ユーリードが「ユーリード ビデオスタジオ6」を相次ぎ市場投入する。CD-R/RWドライブを搭載するパソコンが当たり前になり、記録型DVDの普及、ビデオキャプチャ機能の本体内蔵など、ビデオ編集ソフト市場は今後拡大が予想される。シェアで首位を走るのはユーリード。後発となるサイバーリンクがシェア奪取にかける意気込みは強い。

 サイバーリンクは4月1日に総合ビデオ編集ソフト「PowerDirector(パワーディレクター)2.0」「PowerDirector2.0 PRO」を同時に発売する。パワーディレクター2.0の価格は6800円(PROは1万3800円)。

 現在店頭に並ぶ競合他社のビデオ編集ソフトの価格を大きく下回る戦略的な価格を設定。ビデオ編集ソフト市場でシェアトップを目指す。目標販売本数はシリーズトータルで5万本。

 パワーディレクターシリーズは、同社が開発した超高速エンコーディングエンジン「SVRT」を搭載したビデオ編集ソフト。デジタルビデオカメラ、8ミリビデオカメラ、VHSビデオ、TV映像、ビデオCD、MPEGファイルなど、多様なメディアからの映像をパソコンに取り込んで編集し、MPEG-1、MPEG-2、WMVなどのムービーを作成することができる。

 スタンダード版(6800円)の特徴は、(1)ビデオクリップの場面切り替わりを自動検出するシーン検出機能を搭載、(2)任意のシーンでビデオクリップを分割するスプリット機能の搭載、(3)DVカメラからのリアル/ノンリアルキャプチャを選択し、パソコンのスペックに合わせてキャプチャが可能、(4)ビデオクリップに演出するフィルタ効果「エフェクトモード」の追加――など。

 これらの基本的な機能は、「DVDを自分で作りたいパソコン初心者に簡単に使ってもらえることを主眼にしながら、ビデオ編集ソフトのベテランまで使用可能な使い勝手を目指した」(マーケティンググループ・鈴木利プロダクトマーケティングマネージャー)という。

 なお、「PRO版」には、CD/DVDオーサリング&ライティング機能を搭載し、焼き込み機能も搭載した。再生専用プレイヤー「PowerDVDランタイム版」も同梱している。

 4月の発売と同時に全国主要20店舗でデモ機を設置し、直接消費者の目に触れる機会を作る。また、体験版としてCD-ROM20万枚を店頭配布する計画もある。

 同社ではパワーディレクターを、現在の主力製品である「PowerDVD」と比肩する売れ筋に押し上げ、両製品の相乗効果を狙う。

 同社の最大の競合はユーリード。4月5日にはビデオ編集ソフト「ユーリード ビデオスタジオ6(Ulead VideoStudio6)」を発売する。発売時期ともに、サイバーリンク、ユーリードが正面からぶつかることになる。

 ただし、「ユーリード ビデオスタジオ6」の製品版は1万4800円、乗り換え版/アップグレード版が9800円という価格設定になっている。

 鈴木プロダクトマーケティングマネージャーは、「価格面、性能面など、あらゆる場面で一騎打ちとなるだろう。スタンダード版6800円はかなり思い切った価格。出足の1か月が最初の勝負となる」(同)と意気込む。15万人強の登録ユーザーを抱えるユーリードの「ビデオスタジオ」にどこまで迫れるかが注目される。
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