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コムテック ERPをテコに体質転換 “総合力”の発揮を目標に

2002/03/18 11:00

 

 コムテックは、進化型CRMソリューション「eWORKS」に加え、ピープルソフトの認定アライアンスパートナーとなり人事・人材管理ソリューションの取り扱いを開始、これらの製品をテコに新たな成長を目指す意向だ。同社は情報処理サービス事業者として幅広い業務を手がけているが、ここ3年間は赤字決算を余儀なくされてきた。昨年社長に迎えられた松田英典社長は、「総合力を生かしきれなかったのが主因」として体質改善に取り組んできた。「2001年度決算は黒字のめどがついた。02年度は新製品の投入で新たな成長を目指す」としている。

 同社は伊倉佳紀会長が76年11月に創業。情報処理サービスの分野で幅広い業務を展開し、91年11月には株式の店頭登録を果たしている。00年度(01年3月期)の売上高は単体ベースで86億4170万円。コンサルティング、システム開発、情報処理サービス、アウトソーシング(業務、システム運用)、コールセンターなどの業務を手がけているが、過去3期連続の赤字決算を余儀なくされてきた。

 「良い人材は育っている。ただ、総合力が発揮できていない」というのが社長就任時の松田氏の判断で、「まず赤字事業の整理など体力増強と精神面の改革運動に取り組みつつ、総合力を発揮できる製品としてCRM、ERPの扱いも開始する」ことにした。

 「ERPは、これから伸びるし、シェアも固まりきっているわけではない」という判断と、「コンサルティング、開発、販売、運用管理、ヘルプデスクといった当社のもっている人材を最も生かせる」と考えたからという。

 また、「不況下で伸びるのは人材管理ソリューション」という視点からピープルソフトとも提携した。

 CRMは、シーベルが先行しているが、大企業向けであり、これから需要が伸びる中堅・中小企業向け分野はまさに戦国時代にある。「eWORKS」は、もともとはニュージーランドのStayinFrontが開発したERPソフトで、「オブジェクト指向に優れており、短期間での導入、ニーズに合わせた機能追加やシステム拡張が容易な進化性、業務内容の変化にすぐ合わせられる柔軟性などに優れている」という。

 日本IBM、リコーテクノシステムなどがすでに販売を表明している。

 「この製品を扱うことで、当社の体質改善に拍車をかける。ERP事業単体での売り上げももちろんだが、当社全体への波及効果は10倍ほどになるだろう」として新たな成長路線を軌道に乗せたい意向だ。
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