課題はチャネルの知名度向上

 ストレージ・ネットワーク大手の米ブロケードコミュニケーションズシステムズ(カリフォルニア州サンノゼ市)は、日本での事業展開を加速する。今後2-3年で、日本市場での売り上げを毎年倍のペースで拡大していく計画だ。現在、日本法人の売り上げのうち90%をストレージベンダーへのOEM供給に頼っているが、今後は代理店網を強化し、チャネル販売の比率を上げることで、市場シェアのさらなる拡大を目指す。

 日本法人「ブロケード コミュニケーションズ システムズ」は、昨年4月に設立した。

 現在、日本法人の売り上げで約90%を占めるのがローカルOEM展開で、富士通や日立製作所、NEC、東芝などの大手メーカーへ製品をOEM供給している。各メーカーは自社のサーバー、ストレージ製品と、ブロケードからOEM調達したファイバ・チャネルスイッチなどを組み合わせ、顧客企業へ提供している。

 一方、ブロケードの世界戦略としてコーポレートOEM事業も並行して行われている。

 この場合は、米本社と直接契約を交わしたベンダーがそれぞれの日本法人を通じて国内に販売する方法を採用している。

 ブロケード日本法人では、ベンダーへのOEM供給のほかに、大手システムインテグレータを通じたチャネル販売も行っている。日本のマスターディストリビュータは東京エレクトロンで、同社を通じ、OEM供給と並行してチャネル層を広げ、市場の拡大を図っていく考えだ。

 日本におけるブロケードの知名度は高いとは言えない。OEM戦略の推進により、ベンダー間内部での知名度は高いが、チャネルでの知名度向上が今後の課題だ。

 この点について、米本社のグレッグ・レイス会長兼CEO(=写真)は、「知名度の向上は課題だが、コンシューマ層にまで知名度を拡大させようと急ぐのは得策とは言えない。まずは、SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)というソリューションそのものの知名度や理解度を広げるのが先決。その後にチャネル間に拡大させ、製品を取り扱ってもらうというプロセスが必要だ」とし、近いうちに「日本で『SAN=ブロケード』という認識が広まるようになれば成功だ」と語る。

「実際、米国ではそのような認識が広まっている側面もある」(レイス会長兼CEO)という。チャネル戦略を強化することで日本市場での拡大を目指し、今後2-3年は毎年売上倍増を見込んでいる。

 同社は3月24日、米サンノゼ市でプライベート・カンファレンス「Brocade Vision Summit 2002」を開催。世界中のIT関連記者を集めて2002年度以降の戦略を紹介した。

 記者からは、同社が主力とするファイバ・チャネル製品の今後の展開について、「IPへの切り替えをどのように考えているか」との質問が飛んだが、レイス会長兼CEOは「IP-ストレージの製品は未だ市場に出ていない。また、市場がIP製品中心となるには、少なくとも3-4年先となる。現段階で存在しない市場に左右されるよりも、目の前の顧客のことを考えるのが重要」と、現段階でのファイバ・チャネルの重要性を訴えた。

 だが一方で、「まったく研究・開発を行っていないわけではない」と、IPへの対応も視野に入れていることを示唆した。