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インテル ジーオンファミリ拡充でエンタープライズ戦略を加速

2002/10/14 16:32

週刊BCN 2002年10月14日vol.961掲載

 インテルは、エンタープライズ戦略の加速に向けて、同社が提唱する新たな概念「モジュラーコンピューティング」の取り組みについて明らかにした。

 モジュラーコンピューティングは、先頃、米国で行われたIDF(インテル・デベロッパー・フォーラム)で明らかにされた。10月22日から行われる日本でのIDFで、最も注目を集めるテーマになると見られる。

 ハード環境とソフト環境を融合し、1つのCPUモジュールをフロントエンドやバックエンドに柔軟にリソースを変更、相互に活用できる仕組みを目指す。

 例えば、午前中にウェブアクセスなどに負荷がかかるフロントエンドの処理にCPUモジュールのリソースを使用。夕方にはデータベース処理などのバックエンドにCPUリソースを使用するといったように、動的に切り替えることができる。

 モジュラーコンピューティングの第1フェーズ対応として、ブレードサーバー「BladeCenter HS20」を第1号製品と位置づける。この製品は、インテルが米IBMと共同で発表、国内では12月にも出荷される予定。

 また、「システム価格300万円以上の分野におけるシェア拡大を重点課題とする」としており、ジーオンおよびアイテニアム2での市場拡大を目指す。具体的には、ジーオンプロセッサファミリの拡充に加えて、2002年第4四半期には、新たなチップセットとして「Placer(プレイサー)」、「GraniteBay(グラニトベイ)」、「Plumas533(プラマス)」を投入、I/O拡張のための新技術「PCI-Express」や、InfiniBandソリューションの拡大などを予定している。

 一方、野村総合研究所をはじめとするユーザー企業19社が加盟するECAでは、ジーオンプロセッサMPのベンチマークテストを、飲料業界などで活用されている実際のアプリケーションを利用して実施した。その結果、ジーオンプロセッサMPは、ペンティアム3ジーオンに比べて最大14.3倍のパフォーマンス向上が図れること、ハイパー・スレッディング・テクノロジーを有効にした場合、無効時の5-9倍のパフォーマンス向上が可能になったという。

 ECAでは、ユーザー数が特定できず、より多くのユーザーをサポートする必要があるシステムなどでの活用で効果を発揮することができるとしている。また、PowerチップやSPARCチップなどが威力を発揮しているウェブアプリケーション分野でも、ジーオンプロセッサMPが高いコストパフォーマンスを発揮することを強調した。
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