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三菱電機 通信距離が世界最長の量子暗号システムを開発

2002/11/25 16:36

週刊BCN 2002年11月25日vol.967掲載

 三菱電機(野間口有社長)の情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市)は、量子(光子)暗号を用いた通信システムで、世界最長となる87kmの通信距離での実証実験に成功した。

 量子暗号とは、光の最小単位である量子を使って暗号通信に必要な鍵を共有する技術。現在主流となっている暗号化技術の現代暗号は、「解読するのに膨大な計算量が必要であることが安全性の根拠になっている」(松井充・情報セキュリティ技術部チームリーダ)という。そのため、将来、超高速な量子コンピュータなどが開発されれば暗号が解読される恐れがある。

 今回のシステムでは量子の検出器の性能を高め、また、高速性を特徴とする現代暗号と組み合わせることで、87km離れたマシン間での実用的な暗号通信を可能にした。
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