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アドテック コンシューマ向け無線LAN市場に参入 全製品、シェア3位以内目指す

2002/12/16 16:49

週刊BCN 2002年12月16日vol.970掲載

 メモリモジュール、液晶ディスプレイ製品を主力事業とするアドテック(河合優社長)は、コンシューマ向け無線LAN市場に参入する。「競争は厳しいが、潜在需要が大きい」(河合社長)とし、22Mbpsの高速スループットが可能な無線LANアクセスポイントとPCカードの販売を開始。これを手始めに来年早々から新製品を順次投入し、5アイテム程度のラインナップを揃える。

 これまで同社は、無線LAN製品に関して、法人向けに限り6年前から事業を展開してきた。今回、「コンシューマ向け無線LAN市場は非常に競争が厳しいが、潜在需要が大きいと感じている。後発の利を生かして、新しい取り組みを行っていく」(河合社長)とし、コンシューマ向けにアクセスポイント「ADLINK2422AP」とPCカード「ADLINK2422C」を発売。コンシューマ向け無線LAN市場にも本格参入する。

 「ADLINK2422シリーズ」は、2.4GHz帯を使う無線LAN標準規格「IEEE802.11b」(データ転送速度11Mbps)に完全準拠しながらも、22Mbpsのデータ転送速度を実現した。従来の11Mbpsモード時よりも、ファイル転送速度で最大50%、ストリーミング動画速度で同40%上回る実速度を達成。ADSL12Mbpsサービスに対応した高速インターネット環境を構築できるようにした。

 また、無線通信における暗号化技術「WEP」では、64ビット、128ビットに加え、256ビット鍵による暗号機能もサポートするなど、豊富な機能を備える。

 今後は、ラインアップを強化し、来年早々から「IEEE802.11a」や「IEEE802.11g」規格に対応した製品などを順次投入していく予定。

 販売にあたっては、社内の指揮体制を変更。商品部とリテール営業部の責任者を兼任とすることで、無駄な在庫の圧縮を図る。これまでは、「自社在庫と流通在庫のハンドリングを統括的に行う人間がいなかったため、無駄な在庫を抱えることが多かった」という。

 河合社長は、「どの製品でも、シェア3位以内に入らなければ利益は出ないと考えている。全てのアイテムでシェア3位以内を目指す」と意気込む。

 同社の売上高の約30%を占める液晶ディスプレイ製品では、来年に70-80億円の販売を目指す。

 韓国メーカーともフラッシュメモリ製品の日本国内販売に関して提携する予定で、海外メーカー製品の販売にも注力し、事業拡大を図る。
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