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エクス・ツールス 「シェード」は継続的に開発

2003/01/27 19:09

週刊BCN 2003年01月27日vol.975掲載

ミドルウェアの提案を軸に

 エクス・ツールス(坂井一也社長)が、「シェード」存続に全力を入れている。グラフィックス開発ツール制作のエクス・ツールスは、1月20日付で民事再生手続きを東京地裁に申請。負債総額約16億円を抱え、「再建は不可能」と判断、会社を清算する。だが、主力ソフトの「シェード」の存続を図るため、イーフロンティア(安藤健一社長)にシェードの継続的な開発を託す。

 エクス・ツールスは、シェードの新製品の開発に遅れ、昨年11月、12月と卸売りベースで前年比の半分まで売り上げが落ち込んだ。これで資金繰りが悪化、今年1月24日の給与の支払いが不可能になった。

 坂井社長は、「給与の遅配が発生すると、約50人いる社員のうち、優秀な開発者から引き抜かれる。『シェード』は、日本のソフトで唯一、世界に通じる素晴らしい開発ツールだと自負している。この技術を絶やさないためにも、迅速にイーフロンティアへ事業を移管し、継続的な開発・発展を図る」と話す。

 社員全員がイーフロンティアに転籍できるかどうかは未定。「できる限り全員そろってイーフロンティアに転籍できるよう交渉を続ける」(坂井社長)と話す。シェードが今の状態のまま存続できるかどうかは、イーフロンティアの経営判断にかかっていると言える。

 シェードの販売が落ち込んだ原因について坂井社長は、「パッケージソフトそのものの市場に活力がない。どこの販売店も、ハード売場はそこそこの活気があるものの、ソフト売場は縮小の一途だ。しかし、ソフト流通がすべてインターネットによるダウンロード販売に移行するとは思えない。パッケージソフト産業の興廃は販売店に依るところが大きい」と話す。エクス・ツールス清算後の坂井社長の行き先については未定。
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