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ウェブサイトの効果を把握できない米企業 NetIQの調査で判明
2003/03/17 19:14
週刊BCN 2003年03月17日vol.982掲載
540のウェブサイトに対する質問の結果から、自社ウェブサイトの機能性が売り上げの向上や企業活動の告知にどう効果的に作用しているかを知ることは重要だと43%が回答している。
だが、回答者全体の3分の2は、その因果関係や効果係数を全く把握していないというデータが、NetIQによる調査結果として報告されている。
ウェブトレンドという商品を販売するNetIQにとっては、ウェブサイト経営者に対してこの部分に対する意識改革を啓蒙することで自社製品の販売促進を狙おうとする企業戦略の一環として行われた調査のようだ。
しかし、大多数のウェブサイト経営者が、ウェブサイトへの訪問と企業の売り上げとの間の明確な因果関係を示し得ない。
このことは、企業経営者にとってウェブサイトに対するIT投資のROIが全く見えていないということと同義である。
冷え込んだ市況に耐える経営体質を確立するため、よく吟味された戦略的なIT投資が必須となるべきところだ。
その判断基準をもたないままに、効率性をかんがみられないままに多くのウェブサイトが、ただ単に惰性運転を続けているという構図が見えてくる。
しかし、このような状況下でもウェブサイトの効率性に対してできるところから着実に手をつけることで具体的な営業成果を挙げている企業も存在する。
オンライン靴販売のシューバイ・ドットコムは、2001年度に達成した350万ドルの売り上げを02年度には1000万ドルまで伸ばし、本年度は1600万ドルの売り上げを予測している。
200種類の靴ブランドを網羅した15万足の在庫を取り揃え、サイトを訪問する顧客は求めている靴をサイトで敏速に見つけることができるように、いろいろな機能をサイトに実装していることが成功の1つの要因になっているようだ。
しかし、自社サイトの商品をインターネットの検索エンジンに的確にヒットさせるために必要となる慎重かつ的確な商品用語の選択基準の策定が、売り上げの向上に対しては決定的に重要だと同社では強調する。
よく吟味された商品用語を可能な限り多量にインターネットへ露出させたことが、企業の販売実績を確実に向上させたとシューバイ・ドットコムは説明している。(寺原 孝)
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