ニュース
フォーステン・ネットワークス グリッド向けに高速ルータ投入
2003/03/31 19:14
週刊BCN 2003年03月31日vol.984掲載
来年には40Gbps級の製品も
同社の親会社は、1999年に起業した米国のベンチャー企業で、これまで累計200億円弱の資金を調達した。この資金を使い開発したのがイーサネット方式による通信速度10Gbpsの高速ルータだ。先行するジュニパーネットワークスやシスコシステムズの製品に比べ、機能を“イーサネットによる高速通信”に絞り込むことで価格を同等製品の半額にした。日本法人の田中社長は、「全米科学財団(NSF)の超高速のテラグリッド計画(テラはギガの1000倍)は、米国の東西を結ぶ巨大なもので、実現すれば世界最速になる。昨年9月から同計画が始まり、当社はルータを納入した。国内では、経済産業省とグリッド研究センターが中心となり、超高速グリッド網を構築する計画が進んでいる。国内でも新規にグリット網をつくるとなれば、高速ルータの需要が発生する」と期待を高める。現在のテラグリッド計画では、10Gbpsの回線を4本束ねて最高40Gbpsの速度を出すことからスタートし、将来的にはテラビット級の速度に高める。グリッドコンピューティングでは、ただ単に“高速通信”を実現するのではなく、この網を使い、巨大な高速計算網をつくりだせる。通信だけだったネットワークが、計算という新しい付加サービスを生み出せる仕組みだ。
「IBMは、財務会計や販売管理、生産管理など、業務ごとに分かれて複数のサーバーを統合しようとしている。複数のサーバーをグリッドの高速網で束ねて、企業内のグリッドコンピューティングを実現するのが、彼らのいうオンデマンド化の一例。これはコンピュータ業界の潮流であり、われわれ通信機器ベンダーも、この方向で市場を開拓する」(田中社長)と、グリッド需要の取り込みに余念がない。同社の標準的なルータは1台1-2億円で、一次代理店は日立電線のみ。来年には、現在の4倍の40Gbps級の高速ルータを投入する計画で、そうなれば現在の10Gbps級の製品価格は必然的に下がる。40Gbpsの次は、100Gbps対応の製品を開発する。
- 1