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インテリジェントウェイブ ウイルス対策ソフトの店頭販売を開始

2003/04/07 19:17

週刊BCN 2003年04月07日vol.985掲載

ロシア製をローカライズ化

 ソフト開発などを手掛けるインテリジェントウェイブ(安達一彦社長)は、ウイルス対策ソフト「ウイルスチェイサー」の店頭販売を今夏から開始する。同社は昨年11月から同ソフトのダウンロード販売を開始し、ウイルス対策ソフト市場に参入した。今回はパッケージ化して店頭で販売を開始することにより、拡販に本腰を入れる構えだ。

 同社は昨年11月1日から「ウイルスチェイサー」の販売を開始。ロシアのセキュリティベンダー、ダイアログサイエンスのウイルス対策ソフト「DrWeb(ドクターウェブ)」の国内独占販売代理店契約を結び、同ソフトをローカライズ化。「ウイルスチェイサー」と名称を変更して、1900円でダウンロード販売を展開してきた。

 参入の理由について湯川克己・営業本部次長は、「大手の寡占状態にある市場だが、今後の需要が確実に見込める分野であることが非常に大きい」と説明する。また、同社は企業向けのセキュリティシステムも手掛けており、「総合的なセキュリティ製品やサービスを提供できるイメージを定着させたい」と語る。

 従来の販売方法は、同社のウェブサイトとソフト販売サイト「ベクター」からのダウンロード販売のみで展開。発売当初から、正規版と同様の機能をもった3か月間の無料体験版を提供してきたため、今年2月からが本格的な正規版の販売開始となった。体験版から正規版に移行するユーザーは、現段階では5割程度だという。

 店頭での展開に踏み切った理由について湯川次長は、「ダウンロード販売は、コストはかからないが知名度が低く、爆発的な拡販にはつながらない。コストをかけてでも店頭に並べることによって、ユーザーの目に触れる機会を作ることが必要だと判断した。低価格戦略と他社にはない方法で訴求すれば、(寡占市場に)割って入れる可能性は十分ある」と話す。

 パッケージ版は6、7月をめどに販売を開始する予定。価格はダウンロード版より若干高く設定するというが、湯川次長は「他社製品よりは確実に優位性のある価格で提供する」と明言する。さらに、「後発として、店頭に単純に並べるだけではユーザーには訴求できないのは分かっている。これまでのソフト売り場では見られないような新しい形での訴求を、『ウイルスチェイサー』では行っていきたいと考えている」と語る。
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