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リンクシス・ジャパン 中林体制で年商10億円目指す 下期には積極的製品投入へ

2003/05/19 19:20

週刊BCN 2003年05月19日vol.990掲載

 ブロードバンド関連ネットワーク機器分野において、米国店頭市場でトップシェアを誇るリンクシスの日本法人であるリンクシス・ジャパンは、新体制により今年度10億円規模の売上高を目指す。今年2月に、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)でパソコン事業を担当していた中林千晴氏(=写真)を社長に迎えるとともに、3月に発表されたシスコシステムズとの合併によるシナジー効果も期待している。

 リンクシス・ジャパンは、かつてはバーテックス・リンクが出資していたが、昨年米本社の100%出資へと移行した。今年2月には、日本IBMで長年パソコン事業を担当していた中林氏が代表取締役社長に就任し、社員8人体制で新生リンクシス・ジャパンがスタート。3月には、米シスコシステムズによる買収が発表された。シスコシステムズがエンタープライズ領域を狙うのに対して、リンクシスはSOHOや家庭市場を主要ターゲットとしていること、それにともなう収益構造やビジネスモデルが異なることから、それぞれの企業を存続させる形で事業運営を行う。日本においても、リンクシス・ジャパンを存続させる。 中林社長は、リンクシス・ジャパンの今年度事業計画を、上期と下期に切り分けて次のように話す。「まずは企業としての基盤づくりが必要。6月までは、日本のユーザー向けにパッケージを刷新したり、サポートやトラブル対応の際にどうすべきかといったルールづくり、商品調達、在庫、流通との取り引きなどの基本的な体制づくりに取り組む。7月以降は積極的な製品投入を計画している」

 すでに日本独自の取り組みとして、2月からはウェブを通じた直接販売を開始。下期には、現在6製品にとどまっている無線LANブロードバンドルータ製品を大幅に拡充。さらに、米国で高い実績をもつ有線タイプのブロードバンドルータ製品を日本市場に再投入する。「早い段階で、月商1億円を定常的に確保できるようにしたい。初年度は年間10億円規模を目指し、店頭市場において5%のシェアを獲得したい」(中林社長)としている。
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外部リンク

http://www.linksys.co.jp/