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エコリカ インクカートリッジのリサイクル事業を開始 販売店に回収ボックス設置

2003/08/25 19:30

週刊BCN 2003年08月25日vol.1003掲載

 リサイクル事業のエコリカ(宗廣宗三社長、大阪市浪速区)は、インク/トナーカートリッジを回収しリサイクルカートリッジとして再生するリサイクル事業を9月1日から開始する。すでに全国80店の大型量販店への回収ボックス設置を完了した。今回のリサイクル事業によって、ユーザーに低価格のリサイクルカートリッジを提供し、販売店にはリサイクル環境を提供する。

 エコリカは、パソコンディストリビュータのエム・エス・シー(MSC)、通販のオフィスネット・ドットコム、プリンタカートリッジメーカーのジットの3社が今年7月1日に共同で設立した。

 製造、卸、小売りの3社が協力することによって、「懸案となっていたインク/トナーカートリッジのリサイクルを本格普及させる」(宗廣社長)という。

 同社では、月に何百万個と消費されるインク/トナーカートリッジのリサイクル体制を確立、本格的なリサイクル事業として開始する。同社では鉄製の大型回収ボックスを開発、リサイクル事業に賛同する全国の大型量販店に無償で設置した。販売店は、回収ボックス設置用のスペースを提供するだけでカートリッジのリサイクルができることに加えて、回収された使用済みカートリッジをエコリカが買い上げるという利益面でのメリットもある。

 回収ボックスに入れられた使用済みカートリッジを定期的にエコリカが回収、これを専用工場で洗浄、インク/トナー充填、検査した後、リサイクルカートリッジとして販売する。

 9月1日のリサイクル事業スタート時点では、家電やカメラ量販など全国80の大型店に回収ボックスの設置を完了する。各店舗ごとの回収ボックス設置はさまざまだが、ヨドバシカメラのマルチメディア梅田など超大型店ではすでに10個を設置した。

 8月に回収ボックスの設置を開始して以来、「リサイクル事業に全面的な協力を惜しまないという販売店が急増」しており、プリンタメーカーが従来から設置している自社商品専用の回収ボックスが撤去されるケースもあるという。

 販売店にとっては、顧客の利便性、使用済みカートリッジ収入、環境配慮へのアピールなどに加え、カートリッジの品揃えを拡大するメリットがある。

 純正メーカーからの反発も予想されるが、「本格的なリサイクル事業として純正メーカーにも働きかけていく」意向だ。
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