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ソニーマーケティング PDA法人市場に本格参入へ 「パートナー・プログラム」も開始

2003/11/10 19:37

週刊BCN 2003年11月10日vol.1014掲載

 ソニーマーケティング(宮下次衛社長)は、PDA(携帯情報端末)「クリエ」で企業向け市場に本格参入する。これにともないPDAビジネスのパートナー企業支援強化に向け「パートナー・プログラム」を開始し、法人向けチャネルの開拓を進める。コンシューマ市場で約50%と圧倒的なシェアをもつ同社が法人市場でどれだけのシェアを獲得できるかが、PDAビジネス拡大のカギになる。今年度(2004年3月期)は、法人市場への販売台数を同社のPDA販売台数全体の5%と見込む。

 クリエはこれまでコンシューマ市場にターゲットを絞っており、企業向けにはほとんど出荷していない。ソニーマーケティングは10月29日、PDA法人市場への本格参入に不可欠なパートナー獲得を目的に、ハードウェアメーカーやソフトメーカー、システムインテグレータなどを対象に、クリエのビジネスソリューションカンファレンスを開催。カンファレンスには100社、160人が参加した。

 同カンファレンスで宮下社長は、「コンシューマ市場では相当なシェアを獲得できた。クリエのブランド認知度やPDAの機能向上が進み、いよいよ法人市場でビジネスを拡大する準備が整った」と、法人市場への本格参入に意欲を見せた。

 同社では、パートナー企業獲得のため、テクニカルサポートとマーケティングサポートから成る「パートナー・プログラム」を設定し、支援を開始した。テクニカルサポートは、技術情報のサポートや専用修理窓口の開設、開発用機材の斡旋を手がけ、マーケティングサポートでソリューションセミナーの開催やウェブでのソリューション紹介、ワークショップの開催、販促物の提供を行う。

 中山善光・B-Directビジネス企画部統括部長は、「ソニーは最後発だが、法人市場に参入して何ができるかをアピールしていく。企業活動の最前線をクリエでカバーできるビジネスを展開していく」と強調する。

 クリエは、国内コンシューマ市場のメーカー別シェアで台数・金額ともに50%前後と圧倒的なシェアをもつ。しかし、ソニーグループではコンシューマ向け製品が多く、これまでは企業向けの販売を敬遠してきた。法人ビジネスについて、佐藤倫明・ITプロダクツマーケティング部統括部長は、「まずは、今年度にクリエの企業向け販売台数を当社全体の5%からスタートしたい」としている。
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