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セールスフォース・ドットコム ASP型CRMソフトを拡販 中小企業向け販売パートナーを開拓

2004/04/12 20:44

週刊BCN 2004年04月12日vol.1035掲載

 CRM(顧客情報管理)をASP型ウェブサービスで提供する米セールスフォース・ドットコムの日本法人セールスフォース・ドットコムは、自社開発のCRMソフトを日本の中堅・中小企業を対象に拡販する。4月1日には、ブロードバンド事業やチャネル戦略に実績のある元ソフトバンク・コマース社長の宇陀栄次氏が社長に就任。宇陀社長は、「日本では約400社に当社のCRMが導入されている。さらに協業企業を増やし顧客基盤の拡大を図る」と、中堅・中小企業向け販売に向け、今後、OA機器メーカーなどとのパートナー開拓を積極化する方針だ。

 同社の主力製品は、ASP型ウェブサービスで提供するCRMソフト「セールスフォース・ドットコム」。同製品はサーバーやソフトライセンスなどの初期投資やインストール、メンテナンスなどを簡略化し簡単に使えるのが特徴。

 日本では中堅・中小企業に進出するため昨年5月、低価格版CRMソフト「ティーム・エディション」を5ユーザー14万8000円で発売した。また、昨年6月には、既存のERP(統合基幹業務システム)や財務システムなどと連携するためのアプリケーション・プラットフォーム「エスフォース」の提供を開始し、システムインテグレータなどと連携して企業の基幹業務システムをASP型に統合する戦略を進めてきた。

 日本法人では現在、NECや日立製作所、キヤノン販売、リコー、アイティーフロンティアなど20社以上と販売協業している。ただ、これら販売パートナーは、日本で導入された同社CRMソフトの75%を占める中堅企業から大企業向けCRMソフト「プロフェッショナル・エディション」の拡販が主だった。

 このため、宇陀社長は、「まず、5人程度の中小企業を中心にユーザー数を拡大し、地盤を固めたい」と、既存の販売パートナーを含め中小企業向けのシステムインテグレータを開拓する方針だ。近く、エスフォースのアプリケーションサービスの適用範囲を拡大する予定で、プロモーション活動も同時に本格化する計画だ。
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