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富士通BSC 組み込みソフト開発事業の人員増強 エンジニアは600人規模、営業人員は2倍へ

2004/06/07 20:49

週刊BCN 2004年06月07日vol.1042掲載

 富士通ビー・エス・シー(富士通BSC、米山幸彦社長)は、組み込み(エンベデッド)ソフト開発事業強化のため、営業部門および開発部門の人員を拡充する。営業力強化では、従来のターゲットであった携帯電話やデジタル家電メーカーに加え、カーナビゲーションシステム分野にもアプローチするため、営業担当者を2倍の20人にする。また、開発人員では中国の子会社へのオフショア開発人員を中心に、現在のエンジニア数約450人を今年度(2005年3月期)中に600人にまで大幅に増やす。

 組み込みソフト開発事業の昨年度(04年3月期)売上高は45億円。今年度は70億円、来年度(06年3月期)は100億円を計画している。今年度の全社の業績予想から見て、約5分の1を組み込みソフト事業で占めることになる。従来、富士通BSCの主軸ビジネスである受託ソフト開発事業やソリューションビジネスに加えて、「会社の旗頭と成長させていく分野」(米山社長)として、新たにここ数年強化施策に取り組んでいる。

 昨年度の組み込みソフト開発事業は、携帯電話とデジタル家電向けソフト開発が約85%を占めている。今年度も中心は携帯電話になる計画だが、今後最も伸びる分野として富士通BSCでは、カーナビゲーションシステム向けの組み込みソフトを挙げている。今年度には組み込みソフト開発全体の約15%、来年度には約25%に拡大すると予想している。

 このため、現在手薄なカーナビゲーションメーカーへの営業力強化のため、組み込みソフト事業に特化した営業人員を現在の10人から、今年度は20人体制にする。加えて、デジタルカメラへの組み込みソフト開発ビジネスに本格的に乗り出す。携帯電話とデジタル家電向けで培った開発ノウハウを他の家電にも横展開していく。

 さらに、案件増加に備えて開発人員についても併せて拡充していく方針だ。

 現在富士通BSCのエンジニアは協力会社を含め合計約1700人。そのうち組み込みソフト開発事業に特化したエンジニアは約450人を確保している。これを近く600人まで大幅拡充する。

 特に1992年に中国・北京市に設立した開発子会社、北京思元軟件有限公司を積極的に活用していく方針で、オフショア開発中心に手がけていき、コスト削減も図っていく。

 また、中国では開発だけでなく、携帯電話の普及が急ピッチで進んでいる市場とあって、営業も進め、中国でシェアの高い携帯電話メーカーの組み込みソフト案件についても獲得を目指す方針だ。
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