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ブラザー販売 プリンタを核にしたシステム構築に進出 モバイルプリンタで実績

2004/06/21 20:49

週刊BCN 2004年06月21日vol.1044掲載

 ブラザー販売(伊藤利男社長)は、レーザープリンタや複合プリンタなどを中心としたシステムインテグレーションビジネスに進出する。システムインテグレータなど新しい販売パートナーの開拓を急いでおり、システムの低価格化の影響を受けにくいビジネスモデルを構築する方針だ。モバイルプリンタの分野では、通信機器に強いチャネルを開拓でき、企業システムに合わせたプリンタソリューションの提供で売り上げアップの実績が出てきた。

 ブラザー販売が、レーザープリンタや複合機でユーザー企業としてターゲットにしているのは大企業と中堅企業。A4サイズのプリンタを企業の各部門に拡販していくことに力を注いでいる。

 三島勉・情報機器事業部営業推進部営業企画G部長は、「各オフィスでは、A3/B4プリンタがセンターマシンで活用されている。A4サイズのプリンタのみを販売している当社としては、セカンドマシンで活用してもらうことを目的に、プリントの分散処理でプリンタにかかるトータルコストの削減を提案していく」と、新規企業顧客の掘り起こしに意欲を燃やす。そのため、フロントシステムなどを開発するシステムインテグレータを、今年度(2005年3月期)中に30社程度集める方針だ。

 「モバイルプリンタでは、プリンタソリューションを提供することで実績を上げている」(三島営業企画G部長)という。モバイルプリンタは、ノートパソコンや携帯電話、PDA(携帯情報端末)からA7サイズのプリントが可能な製品。通信事業者をはじめ、通信系システムインテグレータやソフトウェアメーカー、PDAメーカーなど約20社を販売パートナーとして獲得した。今年度はモバイルプリンタの売上高が前年度に比べ3倍以上になる見通し。

 これまでブラザー販売が顧客企業として獲得してきたのは、中小企業やSOHOが中心。ディストリビュータや量販店などをチャネルパートナーとし、昨年度の売上高は、モノクロレーザープリンタが前年度比30%増、複合プリンタで同40%増と順調に拡大した。

 しかし、デルがプリンタ事業に参入するなど、最近ではプリンタの低価格化の波が押し寄せている。A4モノクロプリンタが6万2790円と税抜き価格で6万円を切る5万9800円からという低価格を武器に拡販していくことは、売上高の伸びに影響すると判断した。

 既存の単体販売に加え、システム構築ビジネスを柱の1つに置くことで、今年度はレーザープリンタで前年度比40%増、複合機で同60%増と、大幅伸長を目指す。
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