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アイネス ウェブリングスの全国展開本格化 今年度、累計140自治体目指す

2004/06/28 20:49

週刊BCN 2004年06月28日vol.1045掲載

 アイネスは、主力の統合行政情報システムパッケージ「ウェブリングス」の全国展開を全力で推進する。これまで、ウェブリングス関連ビジネスは首都圏での売り上げが中心だったが、全国の自治体をターゲットに展開することで売上増を狙う。ウェブリングスの主要ターゲットは人口5万-70万人の比較的大きい規模の自治体。昨年度(2004年3月期)末の段階で首都圏を中心に106団体への納入実績を持つ。ターゲットとなる自治体の人口規模が大きいことなどから、「合併の影響を受けにくい」(関沢智・取締役公共システム本部長=写真)と、合併によるシステム更新需要の集中による負荷は少ないという。

 市町村合併による再編を控えている人口5万人以下の自治体を多く受け持つシステムインテグレータは、情報システムの再構築需要の争奪戦が激しくなっていることに加えて、受注しても多くの経営資源を割り当てなければならない。こうしたシステムインテグレータは、新規顧客の開拓が手薄になっており、アイネスでは、他社が守勢にまわるタイミングを狙って、首都圏以外への営業を大幅に強化しウェブリングスの拡販に努める。これにより、今年度(05年3月期)末までに、ウェブリングスの納入団体数を計140団体と今年度で40団体程度の新規顧客を見込む。

 アイネスの、自治体を含む官公庁ビジネス全体の昨年度(04年3月期)の売上高は前年度に比べ15%増の124億円となった。このうちウェブリングスの売り上げは58億円となっている。自治体を含む官公庁全体のビジネスでは、システムの単価下落が売上高に対して5億円のマイナス要因となったものの、ウェブリングス事業を中心に自治体向けの大幅な需要増で落ち込みをカバーし、最終的には15%増収を達成した。今後も、引き続きレガシーマイグレーションを進めることから、システムの単価下落の影響が予想される。しかし、ウェブリングスの全国展開による新規顧客の増加で、官公庁ビジネス全体として前年度比プラス成長を保つ考え。

 また、中期的には、06年度の介護保険システムの更新需要に向けて、今年度から本格的に介護保険システムの提案準備に取りかかる。00年度にスタートした介護保険制度は、05年度をめどに一部見直しが予定されており、06年度にはシステム刷新需要が発生する見通し。06年度の刷新時には、.NETフレームワーク対応の最新式の介護保険システムを完成させる方針だ。アイネスでは、現在40団体に介護保険システムを納入しているが、06年度までには60団体の新規納入を達成し計100団体へ増やす計画を立てている。
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