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富士通BSC 今秋に人材教育制度を見直しへ 中級技術者のスキルアップ目指す

2004/09/20 21:09

週刊BCN 2004年09月20日vol.1056掲載

 富士通ビー・エス・シー(富士通BSC、兼子孝夫社長)は、今秋にシステムエンジニア(SE)の研修・教育制度を見直す方針を固めた。「スペシャリスト」と呼ばれる管理者クラスの技術者育成プログラムの拡充や、OJT(職場内教育)を、体系立てて行うための全社的に統一した教育カリキュラムなどを新たに作成・追加する予定だ。

 富士通BSCは、昨年度(2003年3月期)秋に初めて、SE向けの教育制度を、経済産業省が作成した「ITスキル標準(ITSS)」に基づいて設けている。その後、今春には親会社の富士通が作成・運用するキャリアフレームワークに準拠した形に改定。大規模な不採算案件がいくつか発生したことなどで、人材教育を本格的に行うことが必要と判断した。

 人材教育制度を作成する冨永典夫・技術推進本部技術推進統括部HRD推進部部長は、「プロジェクトマネージャーなどの上級レベルの知識とスキルを持った人材が不足している」としており、特に中級技術者のスキルアップのためのプログラムを拡充する考えを示している。

 また、「各部署ごとに任せっきりだった」(冨永部長)新入社員などのOJTに関しても、「全社的に統一したプログラムを用意する」(同)としている。

 組み込みソフト開発を行う中国のソフト開発子会社である北京思元軟件有限公司(北京市)の人材教育については、「中国から約2年間、日本でソフト開発の特徴や商習慣などを学んでもらい、その後に中国に帰国させて開発するような体制を徹底させていく」(冨永部長)考えで、日本本社だけでなく、中国子会社の人材教育にも力を入れる方針だ。
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