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千葉県 人給申請システム「しょむ2」を“外販” 50自治体以上の視察に手応え

2004/09/27 21:09

週刊BCN 2004年09月27日vol.1057掲載

 千葉県は、庁内システムとして構築した人事・給与などの申請システム「庶務共通事務処理システム=しょむ2(しょむツー)」について、今後、新システム導入を計画している地方自治体に対して採用を働きかけていく。県では、このほど同システムの販売を開始。今年9月中旬時点で50以上の自治体が千葉県のしょむ2の稼動状況を視察しており、システムの利便性に高い関心を示しているという。

 「しょむ2」は、職員の内部事務処理を効率化し、ペーパーレス化を図るために構築したシステムで、24時間稼働を可能としている。パッケージ化している機能は、時間外勤務や特殊勤務、宿日直勤務、週休日の振り替えを含む休暇申請、配属先・氏名・住所の変更といった職員の基本情報に加え、勤務予定表、勤務実績表などの管理、旅行命令および旅費請求、住居手当、通勤手当、扶養手当などの申請が行える。

 システムの販売を千葉県が行い、共同開発を行った富士電機システムズが製品のインストールや設定、カスタマイズ、維持管理などを手がける。

 自治体向けの販売実績について、仲秀夫・千葉県総務部情報政策課電子自治体推進室(総務ワークステーション販売グループ)副主幹は、これまでのところは、「具体的な成果が出ていない」と打ち明ける。しかし、「徐々にではあるが、他の自治体が導入する兆しが出てきた」と、成約に期待を寄せている。

 県では、業務効率化をさらに高めるため、内部事務処理担当者を集約した拠点として、「総務ワークステーション」を千葉市美浜区の「ワールドビジネスガーデン」内に設置し、今年度から稼働を開始している。この拠点を視察に訪れた自治体は50団体を超えた。「どの自治体も、しょむ2と内部事務処理の集約による業務効率化に高い関心を示しており、導入を検討し始めた自治体もある」(仲副主幹)と自信をみせる。「予算の関係上、導入する自治体が出てくるのは来年度からだろう」と今後に期待する。

 しょむ2と総務ワークステーションを組み合わせた事務処理の業務効率化により、千葉県は今年度に13億円のコスト削減が図れると試算する。この業務スタイルが軌道に乗れば、来年度は23億円のコスト削減を実現できるという。

 販売に乗り出したのは、「実際にコスト削減を可能にするシステム。必ず他の自治体から引き合いがある」と踏んだため。システムの拡販で財政難をカバーするという狙いもある。確実に契約に結びつけるため、「今後は、どういうプロセスでシステムを導入すればよいかを提案していく」と、コンサルティング的な活動により受注を狙う。「全国レベルで活用してもらいたい」(仲副主幹)と、千葉県の財政難に貢献することを期待している。
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