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韓国のデジタル機器市場 MP3プレイヤーの後継 脚光を浴びるPMP

2004/11/01 21:15

週刊BCN 2004年11月01日vol.1062掲載

【ソウル発】手の平に入る万能デジタル機器「PMP(ポータブルマルチメディアプレイヤー)」市場が新しく浮上している。若者に人気の高いMP3プレイヤーを引き継ぐ次世代ポータブルデジタル機器として脚光を浴びているのだ。

 MP3プレイヤーは音楽を聞くだけだが、PMPは3インチ前後のLCD(液晶ディスプレイ)を搭載しており、画像・動画など多様なマルチメディアファイルを楽しめるのがメリット。20-40ギガバイトの大容量ハードディスクを装着しているため、メモリとしても利用できる。

 MP3プレイヤー「アイリバー」を販売しているレインコムは「PMP-100シリーズ」でこの市場をリードしている。PMP-100シリーズとして3.5インチLCDに20ギガバイトか40ギガバイトのハードディスクを装着させた2つのモデルを市販している。

 三星電子は7月からアメリカのアマゾンドットコムで「Yepp YH─999」モデルを予約先行販売し、全世界の注目を浴びている。韓国では10月末に販売開始された。その他にイレ電子、大宇テレテックなどもPMPを販売、LG電子もこの市場に参入する姿勢を示している。

 市場関係者は、PMPがMP3プレイヤーを飛び越すようなポータブルデジタル機器として成長できるかどうかに関心を寄せている。数年前に動画プレイヤーが登場したが、コンテンツの不在からかあまり注目されなかった。しかし、以前に比べマルチメディアコンテンツは豊富になり、活用度も高くなっている。レインコムは教育コンテンツ会社と提携し、受験生らを対象にマーケティングを展開している。EBS(教育放送)の修学能力(全国共通大学入試試験)放送プログラムを保存し、後からじっくり見られるようにしたのだ。デジタルカメラの普及から、フォトビューアやメモリとして活用しようとする人も多い。

 しかし、解決しなければならない問題も多い。50万-70万ウォン(5万-7万円)といういまだに高い値段と、バッテリーが長持ちせず動画を長く見られない点は改善すべきである。(鄭載学(ジョン・ジェハク=BCNソウル特約記者))
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