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OSK ERP外販を本格化 全国100社規模の販売店網を構築へ

2004/11/08 21:15

週刊BCN 2004年11月08日vol.1063掲載

 ソフト開発ベンダーのOSK(原田要市社長)は、ERP(統合基幹業務システム)パッケージの「スマイルシリーズ」など自社で開発している主力業務パッケージソフトの外販を本格化させる。これまで親会社の大塚商会向けの販売が大半を占めていたが、ここ1-2年内に大塚商会グループ以外の販売パートナー社数を1次、2次店あわせて110社余りに拡大し、これら販売パートナー向けの売り上げとして新規に10億円を上乗せする方針だ。

 OSKは、これまで大塚商会の主力パッケージソフトの“開発工場”として、ERPパッケージや情報系システムの開発を手がけてきた。だが、連結経営の観点から「大塚商会グループにプラスとなるビジネス展開」(OSKの田中努専務取締役)を推進し、その一環としてグループ外の販売パートナーに向けた業務パッケージソフトの販売を本格化させる。これまでにも、一部、NECグループやリコーグループに向けた製品供給は始まっていたものの、規模は大きくなかった。

 今後は、大塚商会グループ以外でOSK製品を取り扱う1次店を10社程度、1次店からOSK製品を仕入れて販売する2次店を全国100社程度に拡大し、今後1-2年の間にこれら外部チャネル向けの売り上げを10億円に拡大することを目指す。

 OSKの主力製品は、中堅・中小企業向けの「スマイルαADシリーズ」、大手企業向けの「スマイルieシリーズ」、企業内ポータルなど情報系システムの「eバリューシリーズ」などがある。全国100社余りの2次店獲得を目指しているが、このうち約8割はスマイルαADシリーズを取り扱い、約2割はスマイルieシリーズを取り扱う販売パートナーを開拓する方針。eバリューシリーズについては、すべての販売パートナーを経由して販売する。

 1次店としては、大塚商会をはじめNEC、リコーグループなどを想定しており、「今後は、中立的なソフト開発ベンダーとして、すべての販売店と公平に取り引きする」(田中専務)と、大塚商会に軸足を置いた取り引きを改め、競合する他の業務パッケージベンダー同様の多様な販売網の構築に力を入れる。自社ブランド製品としての卸販売だけでなく、相手先ブランドでの販売や、販売パートナーの既存ソリューションにOSK製のモジュールを組み込んで販売する方法なども視野に入れる。

 昨年度(2003年12月期)のOSK単体の売上高は約31億円で、大塚商会グループ向けの売り上げが大半を占めていた。グループ外の販売チャネルを拡充することで売上増が期待できるが、将来的には「グループ向けとグループ外に向けた売上高の比率を早い段階で半々にすることを目指す」(同)と、外部向けの売上比率の拡大を急ぐ。

 現在、OSKの約180人の社員のうち、150人以上がマイクロソフトやオラクルといったベンダーの資格を有しており、資格タイトル数の累計は750件余りに達するという。田中専務は「技術力ではトップ水準に達しており、さらに基幹系と情報系の両方のシステムを提供できるベンダーとして、販売パートナーの拡充に力を入れる」と、OSKの強みを最大限に生かして事業拡大に取り組む。
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