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韓国の先端技術不法海外流出 04年、これまでに22件摘発 被害予想額は推定約31兆ウォン
2004/11/15 21:15
週刊BCN 2004年11月15日vol.1064掲載
鄭載学(ジョン・ジェハク=BCNソウル特約記者)
国家情報院によると、1998年から今年9月まで先端技術流出摘発件数は62件。予想被害額は56兆ウォン(5兆6000億円)にものぼる。特に昨年は6件に過ぎなかった技術流出は今年に入ってすでに22件に達し、予想被害額も昨年の13兆ウォン(1兆3000億円)から今年は30兆9000億ウォン(3兆900億円)と2倍以上増加している。
62件の分野別内訳は、電機電子と情報通信がそれぞれ22件、機械9件、バイオテクノロジー5件、その他4件だった。技術流出は韓国が国際的に技術競争力を確保しているIT分野に集中している。流出に関わった人は退職した社員が38件で最も多く、在職中の社員も18件あった。その他に外国人科学者と技術顧問がそれぞれ3件となっている。このように、産業スパイによる外部流出より、社員など内部の人間による仕業の方が深刻である。
そんななか、各企業は技術流出防止マニュアルを策定し普及させるなど、保安教育を強化している。三星電子では、以前から本社出入口に空港レベルのセキュリティチェックを設置し、社員および社外の人のカバンや所持品を徹底的に検査している。また会社内部で使うコンピュータのデータをUSBメモリやCDにバックアップできないようにしている。
問題は中小IT企業だ。ITバブルが弾けてから多くの中小IT企業が深刻な資金難に陥っている。そのため会社を海外の企業に売却したり、投資を誘致したりする過程で重要な技術が不法的に持ち出されるケースが増えており、このような動きは当分続くだろうと予想されている。
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