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米EMC 中小企業向けコンテンツ管理ソフト 日本市場で来年にも投入

2004/11/22 21:15

週刊BCN 2004年11月22日vol.1065掲載

 米イーエムシーコーポレーション(EMC、ジョセフ・M・トゥッチ社長兼CEO、マサチューセッツ州)は、昨年12月に買収したソフトベンダーのドキュメンタムの主軸製品であるコンテンツ管理ソフトの中小企業向けモデルを新たに開発し、日本市場向けに発売する。

 従業員25-100人規模の中小企業を対象としたソフトで、同社が提供するコンテンツ管理ソフトの機能を限定し、価格を通常版よりも抑えたモデルを用意する。まずは欧米市場で販売し、来年中には完全日本語化して販売開始する予定だ。

 旧ドキュメンタムは、米EMCに買収される以前は、コンテンツ管理ソフトおよびビジネスプロセス最適化ソフトの開発・販売をメインの事業としてきた。現在は、米EMCのソフトウェア事業部の一部門として、コンテンツ管理およびビジネスプロセス最適化ソフトの開発を継続している。

 顧客の中心は大企業で、中小企業向けビジネスは手薄な状況だった。「日本市場のIT投資が復活し、中小企業のニーズも活発化する」(アート・ランドロ・アジアパシフィック担当副社長)という理由から、中小企業に特化した新製品の開発・投入を決め、中小企業市場での販売増加を図る計画を立てた。販売パートナーも、既存のチャネルに加え、中小企業に強いパートナーを募り、中小企業向けの販売網も新たに築く考えだ。

 新開発するソフトは、文書や映像、音楽などあらゆるデジタルデータを一元管理し、容易にその情報を検索・活用するためのコンテンツ管理ソフト。各企業の業務フローとコンテンツ管理の仕組みを組み合わせ、各企業に合わせたコンテンツ管理・活用システムを組むことが可能で、容易に欲しい情報にアクセスできるという。

 ランドロ副社長は、「各企業が作成するデジタルデータは急増しているが、そのデータを各企業の業務に合わせて効率的に管理・活用する仕組みがない」と、企業のコンテンツ管理の課題を説明する。ランドロ副社長によれば、社員は全業務時間の約40%を必要な情報にアクセスするための検索時間に費やしていると指摘している。
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