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アラクサラネットワークス 年内にもパートナー4-5社確保へ 05年度に国内シェア17%目標

2004/11/29 21:15

週刊BCN 2004年11月29日vol.1066掲載

 日立製作所(庄山悦彦社長)とNEC(金杉明信社長)の共同出資による通信機器会社として10月1日に事業開始したアラクサラネットワークス(和田宏行社長)は、戦略的販売パートナー4-5社を近く確保できるめどがついたことを明らかにした。年内にも正式契約を交わす見込み。パートナーの社名は明らかにしていないものの、「システムインテグレータやネットワークインテグレータなど有力企業と契約を交わす」(和田社長)という。

 アラクサラネットワークは日立60%、NEC40%を出資し、資本金55億円でスタートした。基幹系ルータやハイエンドスイッチの開発から生産、販売、保守までを一貫して行う。生産については、ファブレスカンパニーであるため、日立に委託している。当面は自社ブランドでの販売とともに、日立、NEC両社へのOEM(相手先ブランド生産)を事業の中心に据えている。今後、自社ブランドでの展開を拡大するために販売パートナーの整備を進めている。今回、その第1弾として有力なシステムインテグレータおよびネットワークインテグレータ4-5社を確保するめどをつけた。

 基幹系ルータやスイッチ分野は、シスコシステムズなど海外ベンダーが国内市場で圧倒的なシェアを持っており、「国産ブランドの製品を扱いたいというニーズは多い」(和田社長)状況という。アラクサラネットワークスでは、これまでのベストエフォート型からネットワークの信頼性、品質を高めた「ギャランティード・ネットワーク」をポリシーに掲げており、「開発からサポートまで高品質なサービスを提供する」(和田社長)ために有力なネットワークベンダーとの協業を模索していた。

 また、パートナー経由の販売を伸ばすだけでなく、パートナーを活用して世界市場に向けてビジネスを展開する計画。まず、中国をはじめとしたアジア地域をターゲットにする方針で、これら地域にビジネスの基盤を持つパートナーとも協業していく考え。

 同社は、10月1日の会社発足とともに第1弾製品として、ハイエンドスイッチ「AX7800Sシリーズ」、ミッドレンジスイッチ「AX5400Sシリーズ」、通信事業者向けハイエンドルータ「AX7800Rシリーズ」を発表した。これらは日立、NECにもOEM供給される。今後、開発スタッフの強化などで逐次製品投入を行い、2005年度(06年3月期)には400億円の売上高と国内シェア17%、3-5年後には国内シェア25-30%程度を狙っていく。
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