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富士通BSC 情報漏えい防止、ソフトを値下げ 中堅・中小企業への販売強化

2004/12/06 21:17

週刊BCN 2004年12月06日vol.1067掲載

 富士通ビー・エス・シー(富士通BSC、兼子孝夫社長)は、自社開発のパソコン向けセキュリティソフト「FENCE(フェンス)」の価格を引き下げ、中堅・中小企業(SMB)への販売を強化する。さらに、フェンスシリーズに個人認証ソフト「フェンスAP」を11月下旬に追加。製品ラインアップも強化し、幅広い機能を提供することでもユーザーの囲い込みを図る。

 このほど値下げしたのは、暗号化ソフト「フェンスPro」と、情報漏えい防止ソフト「フェンスG」の2製品。これまでは、「Pro」は1万2800円(1クライアント)、「G」は1万6800円(同)で提供していたが、両製品とも1万円に価格を下げて提供開始した。新たにフェンスシリーズに追加した「AP」も1万円で販売している。

 石上朗・公共・サービスシステム本部ソリューションサービス事業部事業部長は、価格の値下げについて、「情報漏えい防止機能を中心としたセキュリティソフトは今が旬であり、大きなチャンス。機能的な差別化要素だけでなく、価格メリットもアピールする必要がある」と理由を説明している。

 「Pro」は、富士通研究所(村野和雄社長)と共同開発した暗号技術を用いて、パソコン内のデータを暗号化するソフト。一方、「G」は、パソコン内データのCD-Rなどの外部メディアへのコピーを制限し、印刷やネットワークに対するアクセス権を管理することで、パソコンからの情報漏えいを防ぐ。

 フェンスシリーズはこれまで、直販と富士通グループの流通経由の販売で、約20万クライアントに導入した実績を持つ。フェンスシリーズの昨年度(2004年3月期)売上高は約3億円。今年度は、今回の価格値下げやラインアップ強化で、販売を伸ばせるとみており、売上高約10億円を見込んでいる。
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