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日立情報システムズ 3年後に売上高2000億円以上へ CAIとアウトソーシングで200億円増

2004/12/06 21:17

週刊BCN 2004年12月06日vol.1067掲載

 日立情報システムズ(堀越彌社長)は、今後3年間で業務システムのカスタマイズ事業とアウトソーシング事業を、それぞれ連結売上高ベースで100億円ずつ伸ばす計画を示した。今年度(2005年3月期)の連結売上高は1800億円の見通しだが、自社開発パッケージなどをベースとした事業も成長が期待できることから、3年後の07年度(08年3月期)には連結売上高を2000億円以上に高める方針だ。

 日立情報システムズは、これまで業務パッケージソフトによるシステム構築事業「パッケージ・アプリケーション・インテグレーション(PAI)」に力を入れきたが、「パッケージによるシステム構築の迅速化やコストパフォーマンスは高まってきた」(堀越社長)とし、今後は、顧客企業の市場競争力を高めるための個別アプリケーションの開発・構築事業「カスタマー・アプリケーション・インテグレーション(CAI)」に力を入れる。

 企業の情報システムのなかで、財務会計や人事給与など共通基盤となるシステムついては、これまで通りパッケージをベースとしたシステム構築を主軸に据える。

 だが、販売管理や生産管理、SCM(サプライチェーンマネジメント)など、顧客企業の競争力を左右するシステムについては、パッケージをベースとしたカスタマイズや、顧客企業に最適化したシステムを新しく開発するCAI事業を積極的に提案していく方針だ。

 堀越社長は、「PAIは今後3年間で漸増させ、CAIは同期間に新たに100億円ほど伸ばす」とCAI事業の大幅な成長に意欲を示す。財務会計や人事給与などは、パッケージソフトをベースとしたコストパフォーマンスが高い提案をする一方で、販売管理や資材調達、SCMなど競争力を高めるうえで重要な役割を果たす業務システムについては、インターネットを駆使した取り引き基盤の構築など、既存のパッケージでは対応できない個別開発を提案する。

 顧客企業は、パッケージを活用して節約したIT投資資金や時間を、市場競争力の向上に、より貢献度が高い分野へ戦略的に振り分ける動きが加速すると、日立情報システムズでは予測している。

 一方、業務システムの運用受託などアウトソーシング事業は、日立情報システムズが従来から力を入れている主力事業で、今年度(05年3月期)の連結売上高予想1800億円のうち52%を占める940億円の見通し。CAI事業は今年度の連結売上高予想のうち約500億円を見込む。

 今後3年間で、アウトソーシング事業とCAI事業をそれぞれ100億円増やすのに加えて、PAIやその他事業も増加が期待できることから、07年度(08年3月期)には2000億円以上の連結売上高を見込む。
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