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韓国のパソコン市場 ハイエンド・オーダーメイド型登場 特定ユーザー層に特化

2004/12/13 21:17

週刊BCN 2004年12月13日vol.1068掲載

【ソウル発】パソコンを利用する人々の用途はそれぞれ違うが、使うパソコンに大きな違いはない。このためゲームや映画鑑賞などパソコンの特別な機能をより多く使いこなす人々は常に物足りなさを感じていたはずだ。このような需要を勘案し、最近韓国では特定ユーザー層を狙ったハイエンド・オーダーメイド型パソコン市場が浮上してきた。

 三宝コンピューターは11月開催された「2005年度PC事業計画発表会」で、来年から高級オーダーメイド型パソコン事業を本格化すると発表した。AV(音響・映像)機能が強化されたエンターテインメントパソコンとゲーム用パソコンの2つが先行発売され、来年にはもう少し多様な用途別オーダーメイド型パソコンが次々披露される計画だ。

 特に注目を浴びたのは、オーディオのミニコンポを連想させるデザインのAVパソコン。映画や音楽、グラフィックス作業が必要なユーザー向けで、リモコンでほとんどの機能を操作できるようにした。製品はウェブサイトから部品を選択する方式で注文し、3日後には配送される。三宝コンピューターは昨年にも各部品を引き出しのように入れ替えられるモジュール型パソコンを発売し注目を浴びた。

 中堅パソコンメーカー、ジュヨンテックも今年上期からウェップサイトでオーダーメイドできるパソコン事業に参入し、好成績を上げている。スリム型とミドル型に分け、同じように部品をユーザーが直接選択するようになっている。ゲームやマルチメディア中心のユーザーから高い評価を得ている。

 オーダーメイド型パソコンといえばデルが有名だ。しかしデルの場合、韓国内パソコン市場ではシェアが非常に低く、主に法人向け市場を狙っている。新しい高級オーダーメイド型パソコン市場は個人ユーザーをターゲットにしている。デスクトップパソコン需要減少で伸び悩むメーカーに不況脱出のチャンスとなってくれるかどうかが注目されている。
鄭載学(ジョン・ジェハク=BCNソウル特約記者)
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