ニュース

韓国の移動体通信事業者 デジタル音楽サービス開始 各社、相次いでサイトを立ち上げ

2004/12/20 21:17

週刊BCN 2004年12月20日vol.1069掲載

【ソウル発】移動体通信事業者が相次いでデジタル音楽市場に進出し、有料音楽サービス市場が注目され始めている。

 SKテレコムは11月15日に、「メロン」というサービス名の有料音楽サイトをオープン。LGテレコムも11月25日から「ミュージックオン」を開始した。KTFも年末か来年1月までには有料音楽サイトを立ち上げる計画だ。

 移動体通信事業者が有料音楽サービスを始める最も大きな理由は、音楽を再生できる「MP3携帯電話」販売による加入者確保と、停滞している通信料収益を有料音楽サービス販売で補いたいからである。

 真っ先にサービスを始めたSKテレコムのメロンは、「ユビキタス音楽サービス」であることを強調している。月5000ウォン(約500円)の利用料で携帯電話やパソコンでいつでもどこでも聞きたい音楽を自由に聴ける。デジタル著作権管理技術(DRM)を適用し、パソコンとパソコン、携帯電話と携帯電話の間で音楽ファイルのコピーは不可能で、1か月間だけ再生できる。端末に保存して聴きたい場合は1曲500ウォンを支払わなくてはならない。LGテレコムもこれと変わらない料金設定で有料サービスを始めた。両社はしばらく無料でテストサービスを行い、来年上期から本格的に有料化する方針だ。

 サービス開始と同時に大々的なテレビコマーシャルを展開し、ユーザーの反応も上々で会員も爆発的に増えている。まずは順調な第1歩を踏み出したと通信事業者側は自己評価している。しかし、現在はまだ無料サービス期間なので、今後有料に切り替えた後どれぐらい会員が残るかは予想し難い。

 今まで「デジタル音楽はタダ」という認識が広がりすぎていた。ほとんどのネットユーザーはPtoP(ピア・ツー・ピア)サイトから無料MP3ファイルをダウンロードするか、無料ストリーミングサイトからお金を払わずに聴きたい放題音楽を楽しんできた。

 しかし音楽制作業界などの強力な対応により、代表的なPtoPサイト「ソリバダ」と音楽ストリーミングサイト「バックス」がそれぞれ来年初頭から有料になる。

 このような有料音楽サービスの登場にもかかわらず、相変らずほとんどのネットユーザーは「また別のPtoPサイトから無料音楽を探せばいい」との反応だ。韓国で、果してデジタル音楽の有料化は成功するだろうか、その帰趨が注目されている。
鄭載学(ジョン・ジェハク=BCNソウル特約記者)
  • 1