【ソウル発】2005年、韓国IT業界は2つの新しい技術に大きな期待をかけている。携帯インターネットWiBroとデジタルマルチメディア放送のDMB(デジタルマルチメディアブロードキャスティング)サービスである。分野は違うが、2つの技術は“移動しながら利用できるサービス”という共通点を持っている。早期の商用化で世界標準を狙っているという点も共通している。

 携帯インターネットWiBroは、移動通信を利用した無線インターネットと無線LANの限界を飛び越え、移動中でも超高速インターネットが使える新しいインターネットサービスである。

 04年12月中旬、韓国電子通信研究院(ETRI)と三星電子が技術開発を終え、試作品実演会を開催した。実演会では時速20kmで走るバスの車内から最高1Mbpsの伝送速度を記録し、インターネットを利用したリアルタイムニュースや映画などを途切れることなく見ることができた。本格的な商用化が始まれば、時速60kmで移動中の車内から1Mbps以上のスピードでデータを送ることができるという。

 携帯インターネット分野は韓国が世界初の商用化を成し遂げた携帯電話CDMA技術に続くものとして、第2のCDMAと呼ばれている。陳情報通信部長官は「携帯インターネットWiBroサービスが国民所得2万ドル時代を切り開く出発点になる」と語った。2月に事業者選定が終われば本格的に事業が始まり、年末か06年にはテストサービスが始まる予定だ。

 DMBの場合、衛星DMBと地上波DMBに分かれて進行している。衛星DMBは日本が昨年10月、世界で初めて商用化に成功した分野であり、携帯電話やPDA(携帯情報端末)などの端末を利用し、移動中でも高画質・高音質の放送を視聴できるようにしたサービスである。韓国では地上波DMB市場の方に関心が集まっている。韓国の地上波DMB技術が欧州の標準として指定される可能性が高くなったため、商用化により拍車をかけている。

 衛星DMBサービスは今年1月のテストサービスを経て、5月から商用化が始まる。地上波DMBも同じ時期に商用化できると見込まれている。この2つのサービスが本格的にスタートすれば、関連装置と端末市場も爆発的に成長し、もう一度ITブームが到来するのではないかと業界関係者らは期待している。
鄭載学(ジョン・ジェハク=BCNソウル特約記者)