【ソウル発】今年2月末、韓国の一部都市では固定電話が8時間ほど不通になる大事故が発生した。月末に加え連休を控えた時期だったため、通話とテレホンバンキングなどの通信需要が集中したのが主な原因と発表された。しかし、根本的な理由は、固定電話網に対する投資不足のせいだったといわれている。

 日本と同じように、韓国でも携帯電話の急速な普及で、固定電話の利用者減という深刻な状況に陥っている。特に1人1携帯電話時代に入ってからは、家庭での固定電話使用が急激に減っている。

 韓国の最大電話事業者であるKT(韓国テレコム)は、固定電話を復活させるため、さまざまな努力を惜しまない。昨年は、携帯電話とまったく同じデザインと機能を搭載した家庭用コードレスフォン「Ann(アン)」を発売し、ビッグヒットを記録している。一般家庭で使っている900kHzのコードレス電話機だが、デザインは携帯電話にとても似ている。また携帯電話のようにSMS(ショートメッセージサービス)を利用でき、着メロ、通話待機メロディも自由に好きな曲を設定できる。一般的な家庭用コードレスフォンに比べ価格も30%ほど安いため、人気は高くなるばかりだ。

 KTは「Ann」電話機によって固定電話サービスの売り上げが大きく増えたと喜んでいる。今後はカラー液晶を搭載した端末にモデルを変更し、今年末までに100万台を普及させる計画だ。

 屋外では携帯電話、屋内・家庭では固定電話として使える「ワンフォン」も注目されている。KTは「DU」というブランドで新しい有無線統合電話を発売した。ワンフォンはBluetooth技術を利用し、家の中では料金が安い固定電話網へ無線接続し、屋外では移動通信網に接続し携帯電話として使える有無線デュアルモード携帯電話だ。

 ワンフォンサービスを利用するためには、別途携帯電話端末と家庭内に設置するAP(アクセスポイント)を購入しなければならない。4-5万円もする携帯電話に機種変更しないといけないので、まだ利用率は低い。このサービスを利用すれば、固定電話を申し込む必要がなくなるので、これから新しく固定電話を申請しようとする世帯が関心を寄せている。

 一方、街中でめったに見かけなくなった公衆電話が復活の兆しを見せている。公衆電話はここ数年、めっきり利用者が減っていた。公衆電話の復活を導いているのは「コレクトコールサービス」。小銭やテレホンカードがなくても市内・市外電話がかけられる受信者負担電話サービスのテレビ広告を始めてから、昨年、韓国内全公衆電話利用額の50%がコレクトコールだったほど。主に携帯電話を持たない子供やお年寄りが利用していたが、最近では携帯電話料金を節約したい若者の間でも利用が増えている。
鄭載学(ジョン・ジェハク=BCNソウル特約記者)