【ソウル発】韓国でインターネット従量課金制度の議論が高まっている。発端は情報通信部のジン・デジェ長官の発言から始まった。ジン長官は3月中旬、インターネット新聞オーマイニュース社が主催した「ネチズンとの出会い」でインターネット従量課金制に関する質問を受け、「超高速インターネットの急速な拡大に定額制が寄与したことは間違いない。しかしネットワーク資源は有限なため、ネットの高度化に投資した企業は難しい状況に置かれている」とし、「上位5%の使用者がトラフィック全体の40%を占め、インターネットをあまり使わない人々が損をしている」と語った。あくまでも原則論的な内容だったが、従量課金制実施に肯定的な立場を表明した形となった。

 今回のジン長官の発言は、情報通信政策最高責任者の発言という点で波紋は大きかった。韓国最大の超高速インターネットサービス事業者であるKT(韓国テレコム)のイ・ヨンギョン社長も2007年からインターネット従量課金制実施を既定事実化する発言をした。そのため、従量課金制論議は一気に広がりを見せている。

 この事実が知らされてからネチズン(インターネット上の市民)たちの激しい反発が始まった。従量課金制反対の署名を集めるサイトにはすでに25万人が署名。従量課金制が実施されたらKTを含め子会社のサービスまで不売運動を始めると、過激な主張を繰り返している。

 こうした市民の反応から、インターネット従量課金制論議は政治問題にまで発展している。野党第1党であるハンナラ党は従量課金制反対の声明を出し、必要ならば関連法改正まで検討するという動きを見せている。韓国ではインターネットサービスが日常生活の必需品と同じ概念なため、従量課金制実施は望ましくないという立場である。

 最も憂慮されている点は、従量課金制実施により“インターネット強国”の立場が失墜するのではないかという点だ。オンラインゲームや教育、エンターテインメント、金融などオンラインサービス企業が打撃を受け、新しいコンテンツ開発にも限界が出てくる可能性もある。

 その一方で、有害なコンテンツが消え、“インターネット中毒”などの弊害が少なくなると、従量課金制実施を歓迎する人々もいる。

 現在は、一般利用者たちには負担をかけない程度で完全従量制ではなく部分的な従量制を実施する可能性が非常に高いと分析されている。現在、韓国では月3万ウォン(約3000円)程度で超高速インターネットサービスを無制限利用できる。
鄭載学(ジョン・ジェハク=BCNソウル特約記者)