【上海発】これまで、中国にはソフトウェア管理(SAM)というコンセプトはなかった。海賊版が勝手に使われており、管理する必要がなかったのだ。しかし、政府や金融、電信、電力などの産業の情報化が進み、著作権管理施策(立法、施行など)も厳しくなりつつあるなか、ソフトウェア管理の必要性が出てきた。ソフトウェア管理、そしてライセンスの管理、パソコン構成管理、IT資産管理などの話題が、最近よく耳に入ってくる。

 このほど北京市で、「ソフトウェア管理サミットフォーラム」が北京ソフトウェア産業協会の主催で行われた。昨年、BSA(ビジネスソフトウェアアライアンス、本部・米ワシントンDC)と中国軟件聯盟(CSA)は、企業をサポートしてソフトウェア管理を強化し、最終的に不正コピーをなくして正規ソフトウェアを利用する「正規版化」プロセスを推進することを目的に、北京でソフトウェア管理セミナーを開いた。

 また、成都、上海でのトレーニングプログラムの後、上海市版権局の主催、上海市建築産業協会の賛助で、BSAとCSAが事務局を務めた「上海市2004年ソフトウェア正規版化エバーグリーンアクションのソフトウェア管理セミナー」が開催された。このセミナーでは、ソフトウェア管理の必要性や管理ツールなどが紹介された。ソフトウェア管理を推進するため、中国国家版権局版権司と情報産業部科学技術司、電子知的財産権コンサルティングセンターが「ソフトウェア資産管理指南」を作成したところでもある。

 現在、有名なソフトウェア管理ツールやデスクトップ総合管理ツールは、表の通り多くが中国に進出している。

 ソフトウェアを管理できないことはルール違反(著作権侵害)につながるだけでなく、「資産が無駄になる」ということでもある。中国では、政府やハイエンド企業(業績が好調な国営企業、外資系企業、著名な民営企業など)は高い情報モラルを持っており、正規版化はこれらの企業からスタートし、現在、かなり進んでいると思われる。

 正規版化によって、企業は適正な購入ライセンス数の把握ができるほか、オーバーライセンスの防止、職員による海賊版持ち込みの防止、正規ソフトウェアの複製・流出の防止などのメリットがある。

 BSAは、CSAや各地版権局と連携しながら、中国でのソフトウェア管理教育をしていくことを表明したが、ACCS(コンピュータソフトウェア著作権協会)も同じようなプランを持ち、上海を中心に、情報モラル教育の一環として、ソフトウェア管理教育を行っていく予定だ。

 日本でこれまで行われてきた正規版化プロセスと同じく、中国でも著作権の啓発活動、ソフトウェア管理の普及、正規版化、ライセンスビジネスの発展など、一連の活動を連想できるようになればと考えている。
魏鋒(ウェイ・フェン=ACCS上海事務所担当)