データベースを中核とした統合ソフトウェア開発のソア・システムズ(吉田源治郎社長)は、携帯電話向けのデータベース(DB)の開発に力を入れる。KDDIの携帯電話が採用しているOS「BREW(ブリュー)」に対応したデータベースを7月1日に出荷開始したのに続き、今年9月頃をめどにNTTドコモの携帯電話用データベースの出荷を予定している。今年度(2006年6月期)は携帯電話用データベース関連の売上高で約2億円を見込む。

 同社は、データベースとアプリケーションプラットフォーム、開発ツールを統合したソフトウェア「ル・クローン」シリーズをパソコンやPDA(携帯情報端末)向けに開発。これまで約1000社に納入してきた。今回、携帯電話を使った業務アプリケーション市場の拡大が見込まれることから携帯電話向けの「ル・クローンK-tai」の本格的な開発に踏み出した。今年1月にはベンチャーキャピタル(VC)などから約4億円の資金を調達しており、「ル・クローンK-tai」の開発や営業活動などに投資する。将来は株式公開も視野に入れる。

 システムインテグレータ(SI)の日本事務器が、主力のERP(統合基幹業務システム)「コアプラス」の「ル・クローンK-tai」への対応を表明している。

 携帯電話のOSは、開発元のメーカーごとに異なるケースが多く、業務アプリケーションの開発の障害になっていた。ソア・システムズでは、業務アプリケーションの実行環境となるアプリケーションプラットフォームや開発ツールをデータベースと組み合わせて提供することで、「OSが異なっても業務アプリケーションを手直しする必要がない」(高山正道・執行役員COO)マルチプラットフォームの環境を実現した。

 マルチプラットフォーム技術は、ウィンドウズやLinux、PDA用の各種OSなどで実績があり、こうした技術を携帯電話にも応用していく。携帯電話の開発ベンダー側も開発生産性を高めるためBREWなど世界的なシェアを持つオープンスタンダードを採用する動きが加速している。

 今後は、主要な携帯電話用OSに順次対応していくことで、ル・クローンに対応した携帯電話用業務アプリケーションの動作可能機種を「増やしていく」(石坂典子・営業部技術支援担当)方針だ。