EC(電子商取引)システム運営のEストアー(石村賢一社長)は、今年度(2006年3月期)末までにウェブ制作会社などを中心とした販売代理店を2000社に増やす方針を固めた。これまで大手システムインテグレータ(SI)など営業力のある代理店や直接販売を基本としてきたが、売上増には「新規顧客の開拓が必要」(石村社長)であることから、代理店施策を大幅に強化する。

 Eストアーは、中小企業を中心に全国約2万7000社の顧客のECシステムをASP(アプリケーションの期間貸し)方式で運営している。昨年度(05年3月期)の売上高は前年度比35.4%増の約18億円と高い伸びだったが、「EC市場は急速に拡大しており、新規顧客の開拓が急務」(同)と判断。ウェブ制作会社を中心とした新しい代理店の構築を進めることで新規顧客の獲得を狙う。

 ウェブ制作会社の多くは制作したウェブを運営するためにレンタルサーバーの設備を持つ企業と提携している。EストアーはECサイトの機能を搭載したレンタルサーバーを運営していることから、ウェブの運営先を必要とするウェブ制作会社とパートナー関係を結びやすい。顧客企業が発注するウェブ制作案件のうち約半分はECサイト機能の採用を求めていると同社ではみており、代理店のウェブ制作会社が制作するECサイトの「少なくとも半分は当社のレンタルサーバーを選んでもらえる」(同)と期待する。

 全国にウェブ制作会社は約1万社あるとみられることから、今年度は全体の2割に相当する2000社と代理店契約を結ぶことを目指す。昨年10月時点の代理店数は大手SIを中心とした約140社だけだったが、今年7月末までにウェブ制作会社を中心として新しく約1000社の代理店と契約して合計約1140社に増やした。

 代理店網の拡大や直販体制の強化による新規顧客の開拓と併せて、既存顧客のECサイトを複数のポータルサイトなどに開設する“支店展開”も促進する。現在、支店展開している顧客は全体の数%程度にとどまっているが、魅力的なポータルサイトとの連携を強化することで、今後1-2年で同10%程度への拡大を目指す。こうした取り組みにより、今年度は昨年度と同等程度の高い伸びを見込んでいる。