ビジネスインテリジェンス(BI)システム開発の日本ビジネスオブジェクツ(徳末哲一社長)は、既存顧客からの追加受注や企業のガバナンス強化にともなう新規需要が見込めることから、今後2-3年は年率10%程度の安定成長を見込む。同社によれば、昨年度(2004年12月期)は、グループ全体で世界のBIツール市場で17.3%の金額シェアを獲得し、今年度から出荷を始めたBI統合スイート新製品の販売も好調だという。

 BIツールは、ERP(統合基幹業務システム)やCRM(顧客情報管理システム)、SCM(サプライチェーン管理システム)など個々の業務システムが出したデータを統合的に分析して、経営トップへ迅速に伝えるシステム。これにより、経営トップはBIツールが弾き出したデータから関連部門へ的確な指示を与えることができるようになる。これまで大手企業の特定部門への納入が多かったが、「BIツールの利便性が認知された」(徳末社長)ことから全社のシステムとしてBIツールを追加導入する動きが活発化。追加受注が相次いでいる。

 大企業だけでなく、年商500億円前後の中堅企業の全社システムとして同社のBIツールの導入が急速に進んでいる例もあり、売り上げが順調に拡大しているという。04年1月にBIツールベンダーのクリスタルディシジョンズと経営統合し、両社の持つ製品を統合した統合スイート「ビジネスオブジェクツエックスアイ」を国内では今年4月に当初のスケジュール通りに投入しており、こうした新商材も売上増に貢献している。

 また、米国の企業改革法(サーベンス・オクスリー法)などを受けて金融庁で検討されている企業のガバナンス強化策もBIツールの導入に「追い風になる」(同)と、内部統制の強化に欠かせないITシステムの1つとして注目を集めているという。ERPやCRMなど個々の業務システムだけでは企業全体の情報を把握しにくいとされ、BIツールの活用で全社的な内部統制が強化されると予測している。

 クリスタルディシジョンズとの経営統合で、昨年度の世界のBIツール市場の金額シェアは同社によれば17.3%でトップ。こうした市場シェアの高さが既存顧客の全社適用にともなう追加購入や新規商談に結びつきやすい環境を「創出している」(同)と分析する。昨年度のワールドワイドの連結売上高は前年度比約9%増の約1000億円、今年度上期(1-6月期)の売上高は前年同期比約16%増の約570億円と堅調に推移している。日本法人においても好材料が揃っていることから、今後2-3年は年率10%程度の安定成長を見込む。