NEC(金杉明信社長)は、4月1日付けで金杉社長に代わり、現代表取締役執行役員副社長の矢野薫氏が代表取締役執行役員社長に就任する人事を決定した。

 金杉社長は体調を崩し、今月上旬に入院。「社長としての責務を果たせない」との申し出があり、取締役会で決議した後、矢野副社長のトップ就任を決めた。NECは、トップの入院という「緊急事態」(矢野副社長)を迎え、突然の新体制で業績回復を目指すことになる。

 矢野副社長は、経営戦略について「金杉社長の経営方針を基本的に変えるつもりはない」としながら、「攻めの経営を進めたい」と強調。まずは、現在の重点課題として不振が続く半導体と携帯電話の両事業の黒字化をあげた。

 具体的な方向性として、携帯電話事業については、「1社で成長の道を探るのではなく、他社とのアライアンスによって黒字化を目指す可能性もある」とした。一方、半導体については、「NECエレクトロニクスとの協業をさらに強めることが最重要」と説明した。

 また、金杉社長が標榜した「情報と通信の融合戦略」について、「私自身が戦略の立案を進めていただけに、当然変えるつもりはない」と継続させていく方針を示した。

 ITソリューション事業については、SIサービスの営業利益率にこだわり、現状の8%から10%に引き上げる目標を掲げた。

 矢野社長は、東京大学工学部電子工学科を卒業した後、NECに入社。米現地法人のトップを務めた経験を持つほか、通信、ネットワーク関連事業畑が長い。昨年3月から現職を務めている。自身の特徴を表す言葉として「R&D」「ネットワーク」「海外経験」の3つをあげている。金杉社長は取締役副会長に就任予定だが、現段階では入院中のため治療を最優先する。