セールスフォース・ドットコム(宇陀栄次社長)は、今年4月からオンデマンドプラットフォーム「アップエクスチェンジ」を販売代理店向けにアプリケーション非搭載で提供を開始する。SIerなどは、自社開発のソフトウェアをプラットフォーム上で動くようにカスタマイズすることで、ウェブによるオンデマンドサービスを提供することができるようになる。同社は、アップエクスチェンジの導入企業を増やすことで、法人市場でのウェブによるプラットフォームサービスの提供を加速させる。そのために販売代理店との協調強化を図っている。

 4月から販売代理店向けにアプリケーションを搭載しないアップエクスチェンジの提供に踏み切るのは、「販売代理店が自社開発のパッケージソフトをオンデマンドサービスとして提供できるようにする」(宇陀社長)ため。オンデマンドサービスビジネスに踏み切りたいSIerを対象にアプリケーション非搭載のアップエクスチェンジを提供していく。

 通常のアップエクスチェンジは、同社のCRMサービス「セールスフォース」をはじめ、ERPやドキュメント管理などのサービスも提供できるようになっている。もともと、同社はCRMサービスで販売代理店を獲得してきた経緯があるため、アップエクスチェンジ上のアプリケーションと競合ソフトを開発する販売代理店に、アップエクスチェンジを積極販売してもらうための策を模索してきた。「販売パートナーが売りやすい体制を追求していくことが、アップエクスチェンジを核に新規顧客を開拓するカギになる」と判断。アップエクスチェンジに搭載しているアプリケーションサービスを販売代理店が自由に選択し、自社開発のソフトを中心としたオンデマンドサービスを提供する環境作りについても検討しており、販売代理店からのニーズが高まった段階でサービス開始に踏み切る模様。

 3月初旬の時点でアップエクスチェンジに搭載されている日本語版アプリケーションソフトは25種類以上。同社のCRMサービスをはじめとして、さまざまなアプリケーションサービスを提供している。新規参入のソフトメーカーにとっては、自社開発のソフトをアップエクスチェンジに搭載することにより、セールスフォース・ドットコムのリセラー経由で拡販できるようになる。セールスフォース・ドットコムにとっては、自社で開発していないソフトをサービスとしてユーザーに提供できることがメリット。06年中には、アップエクスチェンジで提供するアプリケーション数を100種類まで増やすことを計画している。

 また、アップエクスチェンジを核として「法人市場でオンデマンドサービスを主流としたコンセプト“ビジネスウェブ”を浸透させる」としている。インターネットによるプラットフォーム市場は、ヤフーの検索サイトや楽天のショッピングモールなど、個人向けではサービスとして確立しているものの、法人向けは少ないのが現状。宇陀社長は、「企業にとっては、1つのプラットフォームで多くのサービスを受けられることが業務効率化やビジネス拡大につながる」とみており、早急に“ビジネスプラットフォーム市場”を確立させ、アプリケーションサービスの提供で主導権を握る考えだ。