【ソウル発】国家情報院は7月28日、「2003年以後今年上半期までに72件の技術漏えい未遂があった」と発表した。もし72件が摘発されず技術が漏えいされてしまった場合、被害規模は90兆ウォンにのぼると推算されている。

 大韓商工会議所が韓国企業400社を対象に「国内企業の産業機密流出実態」を調査した結果でも、5社に1社(20.5%)は「会社の機密情報が外部に漏えいし、被害に遭ったことがある」と答えた。

 漏えいする技術は韓国が得意とする半導体や携帯電話などのIT分野が75%で、競争国である中国と台湾にそっくりそのまま流されるのが問題だ。

 産業スパイや産業技術漏えいの事件は大手企業だけで起こっているわけではない。2003年以降摘発された事件の62.7%は地方の中小企業で発生している。中小企業の技術漏えいは地域経済の破綻にまでつながる大問題だ。93年にはカーオーディオの技術が香港に流出し、100以上の中小メーカーが倒産したことがある。中小企業庁は昨年からセキュリティソリューション構築費用として最大1500万ウォンまで支援する「不法技術流出防止事業」を実施しているが、広報不足のため、申請した企業はごくわずかだった。また国家情報院も地方ごとに産業技術保護支援団を結成し、技術保護コンサルティングをしている。

 地方の通信機器製造工団では海外から産業研修生として入国した産業スパイまで登場し、カメラ付き携帯とUSB、WEBメールの使用禁止など手を尽くしているが、社員による金銭目的の漏えいが増えているのが問題だ。

 定年が保証されず年金も危ない不安定な韓国企業の実態も社員の技術漏えいとかかわりがある。韓国産業保安研究所は「韓国の全企業のR&D費用は今年約25兆ウォン規模だが、産業スパイによる被害額はこれを上回っている。研究員の待遇を国が保証し、技術を漏らすことの見返りに誘惑されないよう定年まで安定して研究に専念できる環境と退職後の生活保障制度を整備しなければならない」と述べた。

 政府は04年7月、「不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律」の親告罪を廃止する改定で処罰を強化し、国家機関、研究所、企業での「産業技術流出防止及び保護支援に関する法律」を推進している。だが、海外に会社を売却したり技術移転したりする際には政府の認証が必要とされる「技術流出防止法」については、統制が厳しすぎる法律だと国会で反対の声があがっている。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)