受託ソフトウェア会社のジャステック(神山茂社長)は、米国を中心とした海外事業を強化する。昨年3月に検索エンジンの技術を持つ仏国のソフト会社を買収。米ニューヨークの子会社を通じ、この検索エンジンを利用して欧米企業のシステム案件受注を本格化させる。これまで、ソフト業界では海外から日本市場への進出が一般的だったが、日本資本で海外に進出するのは異例。柴山泰生・常務取締役は「日本の情報サービス産業の基盤確立に向け、外資を稼ぐ必要がある」と、海外進出の意義を語る。同社は、5年後に海外の売上高を全体の20%まで引き上げる計画だ。

 ジャステックは、仏国の「LTUテクノロジーズS.A.(LTU)」の株式を100%取得し、子会社化した。LTUは、企業など組織が保持する画像や写真などを論理的に検索する独自技術の「イメージ検索」と「イメージ認識」を利用したパッケージを開発・販売している。この技術を利用して、ワークフローやコンテンツ管理などに応用できる。ジャステックは今年に入り、事務所を置く米国を中心に、LTUのパッケージ販売に加え、システム開発の受注に向けた展開を本格化している。

 早くから海外展開を推進していた同社は2003年12月、ニューヨーク駐在員事務所を設置し、翌年に100%出資子会社の「JASTEC International,Inc.」として現地法人化した。この間、米企業のシステム環境をリサーチしてきたが「パッケージが中心で受託ソフトの需要はあまり高くない。そのため、有力なパッケージを利用して市場を開拓する」(柴山常務)ことで、優良企業の開拓に結びつける戦略を進める。

 ジャステックの設立は1971年。CMMI(能力成熟度モデル統合)レベル5を達成する受託ソフト会社で、毎年度、経常利益率が20%前後に達する有力ベンダーだ。自社で確立したソフトウェア生産管理方式「ACTUM」により、採算に見合う工程管理を指向し「不採算案件」をほとんど出さず、各業界1-5位の中堅・大企業を中心に受託している。

 本格的な海外進出となる欧米では、「マイクロソフトやIBMが着手していないニッチな分野を攻める。日本の情報サービス産業の基盤を確立するうえで、外貨を積極的に獲得する必要があり、当社はその先鞭をつける」(柴山常務)という。

 同社の昨年度(05年11月期)連結決算は、売上高が115億円。LTUの買収費用があり、例年に比べ下がったが、それでも経常利益は17億円に達している。5年後には、海外売上高50億円を目指す。