内田洋行(向井眞一社長)は業種特化型のERP(統合基幹業務システム)事業を強化する。食品メーカーなど食品業向けに特化したERP「スーパーカクテルデュオFOODs(フーズ)」を1月20日に投入。もともと食品業向けのシステム開発に実績はあるが、新版ERPの投入で同分野のビジネスをより伸ばしていく方針だ。

 これまで中堅中小の食品業向けと大手食品業向けの2種類の販売・生産管理システムを販売してきた。今回の新版ではこれらを統合し中小から大手まで柔軟に対応できるよう全面的に刷新。食品業向けERPとして全国約2万社ある食品メーカーを主なターゲットとして売り込む。年商ベースでは中小から200億円クラスの大手まで幅広い客層を取り込むことで販売増を図る。

 ERPは財務会計を中心とした設計が一般的だが、内田洋行では食品業の特性に合わせて販売や生産を軸に据えた。消費期限の厳しい制約を受け、原材料となる食材調達も季節や天候に大きく左右される。販売や生産現場の変化をほぼリアルタイムでERPに反映するなど迅速で柔軟なサプライチェーンが求められていることに対応した。

 会計を中心としたトップダウン式では、「現場の声、現場の力の反映に時間がかかる」(朝倉仁志・情報システム事業部企画部部長)と“現場力”を最大限に引き出すには、販売や生産を中心にERPを構築したほうが有利だと判断した。

 食品業に最適化した新版ERPを投入したタイミングで、大手SIerとの関係強化も進める。大手SIerは主力とするERPをすでに持っているケースが多く、似たような機能のERPを新規に扱ってもらうのは難しい。しかし食品業に特化したERPは製品特性が汎用的なERPと異なる。このため「食品業に強い大手SIerと新たな連携も可能」(内田武利・情報システム事業部企画部商品企画課課長)と自信をのぞかせる。 スーパーカクテルデュオFOODsは発売後1年間で300社への販売を目指す。基本パッケージ価格は270万円から。個別のカスタマイズ費用を含めて500-1000万円がボリュームゾーンになると見込む。食品業に特化した設計にすることでカスタマイズを減らし、システム構築期間の短縮や価格優位性を高めた。