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サティヤムコンピュータサービス 国内開発拠点を拡充 地方都市で人材確保へ 300人規模に拡大

2007/07/09 21:42

週刊BCN 2007年07月09日vol.1194掲載

 インド系SIerのサティヤムコンピュータサービス(安藤典久・日本支社代表)は、国内での開発体制を強化する。年内をめどに福岡に開発拠点を新設し、開発パワーの増強を図る。これまでは東京を中心にソフトウェアの設計開発を行ってきたが、首都圏だけで十分な人材を集めることが難しくなっていた。数年後には福岡などの地方拠点と合わせて開発人員を300人程度に拡大することで国内でのビジネス拡大を目指す。

 ユーザー企業に密着してシステムを開発するには、国内での開発体制の強化が欠かせない。開発の主体は本国インドで行うものの、設計や要件定義など上流工程は国内の人員でこなす必要がある。

 現在の国内人員の数は約200人だが、将来的に不足することがみえており、なおかつ「首都圏で有能な人材をある程度の規模をもって確保するのは難しい」(安藤・日本支社代表)ことから福岡などの地方都市への進出をすすめる。ユーザー企業から元請けで受注するビジネスモデルをメインに位置づけており、上流工程を担う人材をどう増やせるかが、ビジネスを大きく左右する。

 また、グローバル戦略の一環として中国・南京の開発拠点も大幅に拡充する。日系企業が数多く中国へ進出していることや、日本と比較的距離が近く漢字など文化的にも似ている点が多いことから、「中国拠点を日本向けのビジネス拡大に役立てる」ことも検討する。中国におけるサティヤムグループの人員数は現在約500人だが、今後3年程度で2500人規模にまで増やす予定で、開発パワーの大幅な増強が期待できる。

 上流工程ではユーザー企業と日常的に日本語でコミュニケーションする必要があり、この領域では東京や福岡の人員を投入。さらに日本語による業務システムを開発するケースなど、ある程度の日本語力が必要になるケースでは中国の人員を活用するなどして、顧客の利便性や満足度の向上に努める考えだ。言語上の問題がなければインドで開発し、コスト競争力を高める。

 昨年度(2007年3月期)の国内での売上高は前年度比約4割増と大幅に伸びている。

 福岡などの地方都市や中国で人材育成を積極的に進めることで、より一層の受注拡大を狙う。
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