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内田洋行 ECM分野を強化 大企業への対応急ぐ

2007/08/27 21:44

週刊BCN 2007年08月27日vol.1200掲載

 内田洋行(向井眞一社長)は、大企業の情報システムを統合的に管理するECM(エンタープライズコンテンツ管理)分野の品揃えを強化する。これまでは自社開発の中堅企業向けERP(統合基幹業務システム)を軸にビジネスを展開してきたが、提携戦略などでより規模の大きい企業の情報化ニーズにも対応できる体制づくりを急ぐ。大企業領域への進出を本格化することで販売拡大を目指す。

 ECMは企業内で発生する情報を統合的に管理する仕組みで、ERPなどで生成する数値データからワークフローシステム内にある社内文書に至るまで幅広く対応する。自社が持つ商材だけでなく、グループ会社や提携関係にある企業の商材を幅広く連携させていくことでECMを実現していく考え。

 これまで主力ERPのスーパーカクテルシリーズをベースに展開してきたが、「中堅・中小企業の顧客の比重が大きい」(江口英則・執行役員情報システム事業部長)傾向が続いてきた。オリジナルの商材であるため収益性は高いものの、売り上げを大幅に伸ばすまでには至らず、またグループ会社との役割分担も曖昧になることが少なくなかった。

 今後は、ECMを切り口にして、より規模の大きい企業へ顧客層を広げられるよう営業方針をより明確化するとともに、グループやパートナー会社は中堅中小の顧客層の情報化ニーズをトータルにカバーできるよう努める。自社商材に偏ることなく、有力商材を持つISVやSIerとの連携を幅広く進めるなどして、ECMの完成度を高める。

 提携商材では、すでにサイボウズのグループウェア、JFEシステムズの食品業向け品質管理システム、PFUの文書管理システムなどがあるが、こうした他社商材も積極的に扱っていくことで、顧客ニーズへの対応力を向上させる。全国約100社からなる販売パートナー組織のUSAC(ユーザック)会にも、より多様な商材を扱ってもらうよう働きかけることで、売り上げ増を目指す。

 内田洋行本体とグループ会社、パートナー会社の底上げを図ることで、情報システム事業部の売上高を「年率10%近く高めることを目指す」と強気の目標を立てている。
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